そんな天然由来成分でつくられているクヴァスの大手メーカー「オチャコヴォ」社によると、同社は日本にクヴァスを輸出しているという。ただ「店頭に並んでいるのではなく、ロシア料理のレストランなどの中にオチャコヴォ社のクヴァスを置いているところがある」ということだ。
今回、オチャコヴォ社でクヴァス製造の責任者を務めるアレクサンドル・ポズィコフさんが、日本では馴染みのないクヴァスについて説明してくれた-
「クヴァスは、最も古いロシアの伝統的な飲み物の一つです。すでに11世紀の年代記に記されています。クヴァスは2回発酵させているダブル発酵飲料です。クヴァスの製造では、酵母や乳酸菌の純粋培養によって特別につくらている混合スターターが使われています。私達がクヴァスの製造を始めたのは30年以上も前です。私たちのクヴァスの秘密は、特別な酵母と乳酸培養が用いられている独自の発酵スターターにあります。これによってオチャコヴォ社独特の味と香りが生まれるんです。」
ポズィコフさんは、続けて次のように語っている-
「黒いクヴァスは、ライ麦麦芽からつくられ、白いクヴァスには、その他の特別な種類の麦芽と小麦が加えられます。白いクヴァスは、おばあさんたちのレシピをもとにしています。私達はロシアの町や村に何度も出かけて、木造の家で暮らすおばあさんたちのもとを訪れました。おばあさんたちは私たちに自分たちの作り方を教えてくれました。私達はそれらの製法でクヴァスをつくって、そこから一番いいものをいくつか選んで、新たに5種類のクヴァスを製造、販売しました。」
クヴァスは天然素材でできた飲み物だ。オチャコヴォ社は、昔ながらの製法を大切にしながら開発を進めている。オチャコヴォ社でPRを担当するヤーナ・ヴィノホドワさんは、同社のクヴァスを「誇りに思っている」と述べ、次のように語っている-
クヴァスの味は独特だ。飲み慣れない外国人は、初めて飲んだ時に「美味しい!」とは感じないかもしれない。ヴィノホドワさんは、日本の人たちにも是非クヴァスを飲んでもらいたいと述べ、次のように呼びかけている-
「日本の皆さんがクヴァスを初めて飲んだときには、きっとその味は馴染みのない独特のものに感じられると思います。でもクヴァスは自然派ドリンクで、とても体にいいんです。日本の皆さんも3口目を飲んだあたりからクヴァスの味に慣れて、数日後にはこのロシアの素晴らしい飲み物が好きになっていることでしょう。もし暑い時に冷たいクヴァスを飲んだら、きっとクヴァスが暑さを癒してくれるのが分かると思います。皆さんも是非クヴァスを飲んでみてください!」
オチャコヴォ社は、ビールの大手メーカーでもある。最近オチャコヴォ社のビールが日本へ輸出され始めた。
ロシア製ビールに続いてクヴァスも日本で大々的に販売されるようになるだろうか?ロシアの黒い自然派ドリンク「クヴァス」が、日本の暑さを癒す新たな飲み物になる日を待ちたい。