中川氏は 2003年から2006年まで小泉政権で経済産業大臣、2006年から2007年は第一次安倍内閣で自民党幹事長、2008年の麻生政権では財務大臣に任命され、内閣の最重要人物と目された。中川昭一、麻生太郎、安倍晋三の三人は、憲法改正の必要性を含め、国の将来について共通のビジョンを持っており、非常に近い政治的見解を持っていた。これは、ほぼ完全に、保守的な愛国主義というレシピによって国の改造を目指すプラットフォーム「創生「日本」」と同じだった。
2012年以降更新されていない「創生「日本」」サイトには、今も安倍首相のアピールが乗っている。それはアメリカの占領中に作られた秩序から抜け出し、「未来に向かって日本が「誇りある国」として発展していく為には、戦後レジームからの脱却がなんとしても必要だ」と呼びかけている。
現時点で安倍内閣は、日本が「明るい」未来に向けてどのように進んで行くのかについての明確な答えを出してはいないが、内外の一連のアナリストが、まず行なわれるのはほぼ米国のディクテーションによって書かれた現行憲法の改正だろうと見ている。
極東研究所日本研究センターのヴィクトル・パヴリャチェンコ主任研究員は次のように述べた。
「同組織は日本の国内政治文化の一要素であり、代替的な発展など新しいアイデアの実現のために何らかの問題を議論するためにメンバーが集まる、一種の「同志会」だ。彼らは積極的に若い人たち、党の新しいメンバーを招く。中には戦争の結果の見直し、憲法改正、古き精神の復活などを推進する民族主義グループもいる。何らか特定の目的を達成するために形成される派閥グループもいる。岸田(文雄)氏にも、私の知る限りでは、独自のグループがある。そして、彼は数少ない首相候補の一人だ。安倍氏自身はかつて「創生「日本」」を率い、今は会員4万人に上ろうとする「日本会議」のメンバーである。このような組織は少なくとも6または7知っているし、もしかしたらもっと多い。それらが決定に与える影響の大きさは分かりかねるが、ほとんどの部分は、まだ法案にさえなっていない何らかの新しいアイデアを議論するクラブとしての役割を果たしている。私は「創生「日本」」も同じ種類グループだと思う」
日本の憲法見直し支持派は、過去70年間で国は劇的に変化し、世界も変わり、新たな挑戦と脅威が出現したことを、自らの立場の根拠としている。防衛力強化を憲法のユニークな平和条項が抑制しているというのである。
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