安倍氏はスポーツは日本の名目GDPを2015年と比較し20%引上げる可能性を秘めた重要な分野と指摘。日本ではスポーツと関連した産業部門はスポーツ用品の生産、販売、スポーツ施設の利用、スポーツ競技の観戦を含め、2002年から2012年の間の10年で20%落ち込んだ。これは人口動態状況と関連している。五輪準備では新たな投資は新たな施設の建設、古い施設の建て直し、スポーツ観光の振興に充当される。バーやレストランでのスポーツ観戦をより普及させるための措置もとられる。世論調査の結果、日本人がスポーツイベントに支払う額は年間一人当たりわずか6.6ドルであることが明らかとなった。こうすることで日本政府はスポーツセクターの収益を2020年までに2倍に、2025年までに3倍にふやそうと目論んでいる。このほかにも安倍首相は五輪によって毎年の外国人観光客のインバウンドのレベルが上がり、2020年までには年間4千万人に達してほしいと期待している。
ロシア科学アカデミー極東研究所、日本調査センターのヴァレリー・キスタノフ所長は安倍首相のスーパーマリオによるデモンストレーションについて、次のように語っている。
日本国民の気持ちを一番盛り上げてくれたのはリオで41ものメダルを勝ち取った日本人選手団だった。このメダル数は史上最多であり、しかも金メダルの総数でも日本は世界で6位にまでのぼりつめたのだ。前向きな動きはすでに見られる。北京五輪では8位、ロンドン五輪では10位だった日本が6位にまでのし上がったのだから。2020年の東京五輪ではおそらくもっと上を狙うことにターゲットが絞られるだろう。
とはいえ、東京五輪そのものはおそらく安倍首相ぬきで行なわれる。安倍氏の首相就任期間は2017年12月で終わるからだ。これについてキスタノフ所長は次のように語っている。
「安倍氏が例外という形で3期目も現職に残りたがっているという噂があった。安倍氏は後になってこの噂を否定はしたが…。自民党内でも安倍氏は3期目も出るのではないかという見解が聞かれる。とはいえ、そのためには規約の修正が必要となる。」
リオ五輪では安倍首相は扮装しただけにとどまらず、ちゃんとIOCのトーマス・バッハ会長とも会談を行っている。会談では2020年五輪の組織とドーピング対策に関連したあらゆる問題の協調行動が取り上げられた。