歴史学博士でサンクトペテルブルグ国立大学教授を務めるルスラン・コスチューク氏は、スプートニク日本記者の取材に対し「日本共産党は、その影響力の点で、社会民主党も、また新しい政治勢力の数々もはるかに凌いでいる。グローバルな 金融経済危機の時に、生き残る能力を見せたばかりでなく、自らの政治及び選挙における力を強めることができたのは、まさに共産党だった」と指摘し、次のように続けた-
「これは、日本共産党が、現代の日本社会において、政治の中で支配的な保守主義に代わるものをはっきり示していることと関係がある。日本の共産主義者達は、米国への日本の過剰な依存に反対し、大分前から、米軍基地の撤去を求めている。現在日本共産党の戦争反対運動の柱となっているのは『日本の軍国化』を許さないという要求だ、つまり、平和憲法の性格を変え、日本軍を復活させようとの保守主義者達の試みへの抵抗に力点が置かれている。 また日本共産党はTPPへの調印に反対し、国家を超えた企業活動の民主化、労働者の社会的権利の拡大を求めている。さらに同党は、原子力エネルギーに反対しており、彼らの実際的な活動において『エコロジー』的要素が占める割合は大変大きい。党の掲げるスローガンは『左派』の学生や若い労働組合活動家の共感を呼んでいる。党機関紙『赤旗』は、エコロジー問題や与党の職権乱用などに関する暴露記事で人気がある。」
日本社会の高齢化が容赦なく続く中で、若者の多くは、政治に関心を持っていない。日本共産党は、そうした中で強い支持を得るため、かつて人気を博した「うたごえ運動」のような伝統的なものや、現代的なもの、マスコットやソーシャル・ネットワークなどを利用しながら、様々な運動をすべて利用している。
多くの専門家は、日本共産党の成功は、有権者が既存の政党にすっかり飽きて疲れてしまったことに関係していると見ている。インタビューの最後にコスチューク教授は「保守的で階層的な日本社会において共産党は、何百万もの人々にとって、様々な領域での状況改善に向けた期待を抱かせる勢力と感じられているのだ」とまとめている。