第1のパターン、シリアのクルド人VSシリアのアラブ人の戦争。スライ氏はこの戦いはすでに開始されていると見ている。クルド人は米国の支援を得てシリア北東部を掌握し、アラブ人の居住する領域を占拠し始めた。これを受け、アラブ人武装組織はクルド人への反撃を余儀なくされている。
第2のパターン、トルコVSシリアのクルド人の戦争。トルコはシリア北東部に出現したクルド自治政府の存在を危ぶんでいる。
第3のパターン、シリア政府VSクルド人。シリア政府とクルド人は連合を組んでいたものの、自治政府の誕生で双方の関係は悪化。
第4のパターン、米国VSシリア。スライ氏はこのパターンが起こる危険性は少ないと考えている。なぜならばそうした事態が未だに起きていないということは、つまり双方ともが事態の回避を望んでいる証拠だというのだ。とはいえラッカ奪還の戦いで双方の軍部が衝突する可能性も100%ないとは言えない。
第6のパターン、イラクのクルド人が加わって起こる戦争で3パターンある。イラクのクルド人VSイラク政府。
第7のパターンはイラクのクルド人VSシーア派。
または第8のパターンとして1990年代イラクのクルディスタンで起こった内戦の繰り返しが予想される。
第9のパターンはアラブのスンニー派VSシーア派またはスンニー派VSクルドの戦い。反ダーイシュの戦いのなかでクルドとシーア派の部隊がアラブのスンニー派の居住する領域を掌握した。ワシントンポスト紙はクルド人とシーア派がスンニー派を粛清する場面があったことを指摘している。これが新たな暴動を招く恐れがある。
第10のパターンはダーイシュの残党VS彼らが自分たちの敵と見なす者との戦い。
どのパターンが現実のものになってもそれはカオスへと導き、テロリストの残党はこの地域で再び立場を強化することになる。