佐藤さんが初めてロシアを訪れたのは1989年、ペレストロイカの時代だ。当時、寒い冬の時期に佐藤さんはモスクワの広々としているが陰鬱な空港に到着した。それは単純な時代ではなく、大きな変動が進んでいた。眼前で世紀の変換が起こっていた。そして佐藤さんのロシアの第1印象は、陰鬱な街に店の空っぽの棚、全体的な不安な雰囲気を背景に形成された。しかし、佐藤さんのロシアへの印象が変わったように、ロシアでは多くのことが変わった。今日、ロシアはすでにまったく別の国だ。それから佐藤さんは旅行者として、または仕事ですでに何度もロシアを訪れた。そして最近は毎年、茶道、書道、他の基礎的な日本の伝統文化の繊細さを教えるために喜んでモスクワを訪れている。
佐藤さんはスプートニクに文化、愛している国ロシアの現代の様相、ロシアの人々の特徴についての印象を語り、また、ロシアに訪れようとしている日本からの旅行者にいくつかのアドバイスをした。
最も印象的なことはなんですか?ロシアで好きなものはなんですか?
ロシアで訪れたいと思っている場所はありますか?
「もちろん!ロシアはものすごく広いお国ですし、わたくしは残念なことにモスクワとペテルブルグにしか行ってないのでいろいろな地方に、文化を持ったところに伺ってみたいと思っています。」
何度もロシアに旅行する中で、ロシアの人々と密に交流することになったことがあると思いますが、あなたの周りにいる方の中に見つけた注目すべきことはなんですか?どのような印象が残りましたか?
「私は縁があって、日本の文化に精通したロシアの方と大変親しくさせていただいていることがまず基本なので皆さんはとても日本人を愛してくださるため、私も大好きな方ばかりです。お仕事で今回のようにお会いしても皆様もとても心暖かく感情豊かです。また、面白いことに、ロシアの古い歌曲か民謡を聞いていると、日本の民謡と例えば歌、演歌などの開いたものへの情感の込め方ととても似ていると思います。」
ロシアに来た外国人に、ロシア人についての印象を語るように頼むと、多くの人はロシア人女性の美しさについて語り始めます。ロシア女性のイメージは海外で非常に有名です。しかし、男性についてはなぜか誰も語りません。ロシア人男性についてのあなたのイメージを教えてください。
「これは難しい質問ですね。ロシアの女性は本当にきれいだと思います。ロシアの男性は常に女性をエスコートする。それはたぶんおうちの中の教育が女性にちゃんと「こうしなさい」、子供の時からきっとそういう教育があるんだろうなと思っています。どんなちいさなお子さんも女性に対してフェミニストでいるということも、とても感じる。街中が悪くても男性のサポートの仕方がとてもスマートで温かく見える。」
佐藤さんがロシアに訪れるのはこれで1度目ではないため、生徒の中にはロシア人が少なくなかった。スプートニク特派員との会談で、佐藤さんはロシアの生徒との交流からの印象を語った。
「これはとても光栄なことでございました。初めて茶道を教えにロシアに伺ったときにモスクワ大学の中に「ウラセンケ」(モスクワ大学付属茶道教室) の篤志家の方が立派なお茶室を寄贈して、そちらにあの生徒さんたちもきちんとした正しい茶道の教えを受けていらっしゃる方たちがいて、そこでマスタークラスをさせていただく大変好意な機会を得ました。」
ロシアに訪れたい日本人に言いたいことは?
「ロシアに対するイメージは政治的なものが強い。日本の報道がいけないと思います。政治的な向きが少し強いので、ロシアについてのイメージが、ロシアに来てみないとこの青空のように開けない。だから、ぜひ一度この深い文化と歴史と文学と演劇といった、いろいろなものの広さと深さを持ったロシアにぜひ一度来て見ていただきたいと思います。自分の目と心で実際に感じなければ感動が生まれないと思いますね。ぜひいろんな方々に季節を問わず、寒い時は寒い時で、寒さの素晴らしさもあるし美しさもあるので、機会を見て、文化的につながってるお国なので、是非来ていただきたいと思っています。」