「灰に帰すぞ!」南北朝鮮は罵り合いはヒトラーさえ口にしなかったレベルに

© REUTERS / Kim Ju-sung/Yonhap「灰に帰すぞ!」南北朝鮮は罵り合いはヒトラー、スターリンさえ口にしなかったレベルに
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9月11日、韓国は「北朝鮮を灰に帰する」と約した。韓国国防省は北への先制ミサイル攻撃計画をすでに構築したことを明らかにした。今まで北朝鮮が韓国に対してこうしたレトリックを振りかざしたことは何度もあったが、韓国が同じ語調で威嚇し始めるとは誰も想像だにしなかった。

「ピョンヤンの各地区、特に北朝鮮指導部が潜んでいるとされている場所は完全に破壊されるだろう…。言い換えれば北朝鮮の首都は灰と化し、地図上から姿を消すということだ。」聨合ニュースは韓国軍部内の消息筋の発言を引用して報じている。こうした威嚇は9月9日、北朝鮮が新たな核実験を行った後に出されたものだ。

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こうしたレトリックを国際社会はもっぱら「予期できない」北朝鮮指導者の側から聞かされることに慣れてきた。7月初め、韓国に米国の戦域高高度防衛ミサイル「THAAD」が配備されるというニュースにも北朝鮮は従来の煽動を繰り返し、韓国を「火の海」に変えてやると息巻いていた。

8月末に実施された米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」に対しても北朝鮮は「帝国主義者ども」、つまり韓国のみならず米国も「核の灰」に帰すと威嚇している。だが「ノーマル」な韓国のほうは今まではこうした煽動的声明を表すことはなかった。

ロシア科学アカデミー経済研究所、ロシア・アジア戦略センターのゲオルギー・トロラヤ所長はスプートニクからのインタビューに対し、「公の場で互いを殺すと脅しあうなどスターリンとヒトラーでさえやらなかった」とコメントしている。一方でトロラヤ氏は性急に放射能防御手段を用意したりせず、双方の攻撃的な口調は単なるレトリックであると受け止めるよう呼びかけている。

スプートニクのアンケート調査で、過去最大規模の核実験を行った北朝鮮への働きかけをたずねたところ、アンケート参加者の3割が核の終末にどこのシェルターに隠れるべきか考え始めていることがわかった。

​トロラヤ氏の見解では、脅かすような声明には一様に「国内的に利用」する意図があり、「自国には米国の核の傘には拠らずに自力で防衛する手段があることを示して世論を沈めるためのもの。」

聨合ニュースが引用した韓国軍部消息筋の話には実際、フガス弾と地対地級の「玄武」ミサイル2AS、2BS、3Sを使用する計画が表されている。こうした攻撃計画の公表が韓国内で独自の核兵器の開発に支持を示し始めた勢力をなだめるものであることも除外できない。

北朝鮮に関していえば、トロラヤ氏いわく、北朝鮮だって誰かに攻撃をしかけようとはしていない。北が採る措置も同じくかなりの割合で国内のオーディエンスに向けたものであり、また核の煽動も含め、北朝鮮がすでに10年以上にわたって最悪のメソッドで認識を勝ち取ろうしている米国民もその対象となっている。同時にほんのささいな軍事行為を軽率にもとった場合、この体制にとっては取り返しのつかない崩壊を意味する。これを隣国の韓国は思い知らせたというわけだ。

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このためトロラヤ氏は「北朝鮮の煽動プロパガンダは公正な分析を含むものではない。核ポテンシャルの拡大は彼らにとっては自分たちに向けていかなる軍事行動も採られないということへの保証でしかない」と断言している。このように軍事衝突のシナリオは今までと変わらず非現実的な話でありつづけている。

だが制裁という圧力に建設的なポテンシャルがあるかという点についてはトロラヤ氏はかなり懐疑的だ。「過去25年が示したものは制裁は全く効き目がないということだ。なぜならまさにこの間に北朝鮮は簡単な核実験から始め、最後は完全な核ミサイルまで到達してしまったからだ。なんらかの新たな戦略が必要だ。このことはロシアでも中国でもよく理解されている。」トロラヤ氏はこう語る。

トロラヤ氏は、最終的には唯一の北朝鮮対策は相手と闘おうとせず、合意を図ろうとすることだと語る。「北朝鮮は合目的的にハードルを上げてくる。それはこうした強い立場から交渉にのぞみ、まず米国との間に何らかの妥協を達成しようという意図があるからに他ならない。」

ところが米国は北朝鮮の体制とは全く話をする気がない。なぜなら北朝鮮はあらゆる西側の理想、「アメリカンドリーム」とは正反対の位置にあるからだ。米国は北の体制が崩壊する時をひたすら待っているが、相手は諸処の困難にも負けず、まだ続いている。トロラヤ氏は、時間が経過するほど代価は跳ね上がり、話をまとめるのは難しくなっていくと危惧感を表した。

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