氏の最新刊は『村上さんのところ』。ファンの質問に作家が答える、というもの。3万7000以上の質問を受けた村上春樹氏がそのうちの3716の質問に答え、それを本にまとめた。ロシアや他の外国語への本の翻訳については未定。最新の小説である『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は日本では発売1月で100万部を売り上げ、20の外国語に翻訳されている。ロシア語訳はドミートリー・コヴァレニン氏。1998年に『羊をめぐる冒険』を翻訳してロシアの読者に最初に村上小説を紹介した一人だ。
「文学作品によってこそ各国の読者は地球上の人々の生活、彼らの希望と恐怖、彼らの価値観や道徳的優先順位についてイデオロギー的決まり文句によって歪められない正確な情報を導き出すことができる」。モスクワで先週開催の第4回国際翻訳者会議のプレスリリースにはこう記されている。このイベントにはロシアと世界57カ国から約400人のロシア・外国文学翻訳者、言語学者、文学エージェント、出版社らが集まった。日本からは東京大学教授、著名なロシア学者で文芸評論家および翻訳家の沼野充義氏が参加、詩的な文章の翻訳の難しさについて語った。ほかに、元「ロシアの声」アナウンサーで現在は児童文学翻訳者の毛利公美氏、ロシアの現代作家ミハイル・シーシキン氏、リュドミラ・ウリツカヤ氏、ボリス・アクーニン氏らを翻訳した奈倉有里氏が参加した。
沼野・奈倉の両氏にスプートニクが行ったインタビューをお聞きいただきたい。