「我々はこれからも関係の完全な正常化に向けて努力していき、近い将来、政府間委員会がこれに取り掛かるということで合意した。この作業へのロシアの関心をはっきりさせたい」
プーチン大統領とエルドアン大統領は、全方向での協力回復の意向だと発言した。特に、ロシア側が段階的に特別な経済対策とトルコ企業への制限を撤廃するよう確認され、、石油パイプライン「トルコ・ストリーム」やアックユ原子力発電所計画の凍結も解かれた。さらに、チャーター便を再開し、2国間のビザ制度問題を解決するとの決定も取られた。トルコがNATO加盟諸国なのに関わらず、エルドアン大統領は、トルコ政府が防衛産業分野でロシア政府と協力する用意があるとも述べた。
ロシアとトルコの関係は、トルコのF‐16戦闘機がシリアでロシアのスホイ24爆撃機を撃墜し、緊急脱出したパイロットのオレグ・ペシコフ氏が地上から銃撃されて死亡した昨年11月に著しく悪化した。プーチン大統領はこれをテロリストの共犯者らによる「背信行為」だとし、トルコに対して一連の制裁を発動した。
その後、アルパルスラン・チェリクがパイロット殺害に関与したとの声明を表した。4月初旬、チェリク容疑者はトルコのイズミルで武器の不法所持容疑で逮捕された。容疑者は取り調べで、ペシコフ氏を銃撃したのは自分ではないが、戦闘グループの司令官としてその責任を負ったと主張した。イズミル検察庁は、「証拠不十分」としてチェリク容疑者に対するペシコフ氏殺害の訴追を取り下げたが、6月27日に予審判事が審理を再開した。
また27日、トルコのエルドアン大統領がプーチン大統領に書簡を送り、スホイ24型機の撃墜について謝罪し、パイロットの家族に哀悼の意を表したほか、トルコはロシアとの関係が損なわれるのを望んでいないことが明らかとなった。