モスクワ国立大学で第3回「革新的な実践:科学+ビジネス」が開かれた。国、ビジネス、教育の各界の代表者による会議で、ロシアの大学の卒業生に成功をもたらしたロシアの教育システムの特徴を規定した。また、今後の教育システムの更なる発展の方向性も規定された。
ロシアでもソ連でも、教育政策の形成においては、常に、学生の個人的な資質の開発が重視された。人的資本への投資は、常に技術よりも重要となる。人間と、そのスキル、能力、適切な決定をとる力こそ成功にみちた仕事の最も重要な要素であると考えられている。「生産の自動化により、もちろん、より速く効果的に働くことができるようになるが、企業と技術は結果を出すような人間こそ作ろうとしている」とイーゴリ・コマロフ・ロスコスモス長官。
ロシアでは人々は絶え間なく学ぶ。豊富な学校プログラムで生徒らはあらゆる方面での基本的な知識を身に着ける。これが専門や大学の選定を大幅に簡素化する。しかし、ゲルマン・グレフ・ズベルバンク総裁によると、教育は幼稚園で開始する必要がある。小児期にこそ基本的なコミュニケーションスキルや感情的知性が産まれるからだ。
以前には情報の蓄積こそ教育で最も重要なものとされた。今は逆に、情報過多という問題がある。専門家の主たる任務は情報の流れを理解し、会社を成功に導くような情報を抽出することだ。教育は、技術の進歩と歩調を合わせる必要がある。今、教育の中で最も重要なことは、必要な情報を分離し、それを分析することを学生を教えることだ。
労働市場で求められているスキルのリストは急速に変化している。時には、教育システムが市場に適応し切れないこともある。ロスコスモスのイーゴリ・コマロフ長官は、大企業が大学と密接に協力し、実際の仕事の中で有用となるスキルを開発するためのコースを始動させている現状を指摘。今、最も重要な課題は、高等教育機関と現実の雇用主の協力だ。訓練は科学技術の発展と同時に行われるべきだ。
世界では教育ベンチャーの数、ならびにそれらが引き寄せる金額が増大している。現在、教育プロジェクトへの投資は、すでに数十億ドルを数える。教育ベンチャー企業の基礎は世界の一流大学で獲得されたスキルだ。ロシアは積極的に革新的な教育プロジェクトに資金を提供する予定だ。
先に経済発展省がモスクワ国立大学とロシア科学アカデミーをもとにテクノロジー・バレー「雀が丘」を創設する法案を策定したことが報じられた。