アレクセイ・アイギ氏はロシアの作曲家・バイオリン奏者で、欧州・日本によく客演に行く。日本の巻上公一氏率いるヒカシューとのコラボレーションは大反響を呼んだ。ロシア映画40本あまりに楽曲を提供、ロシアに存在するすべての映画音楽賞を受賞している。
太田惠資氏はバイオリン奏者、ボーカリスト、作曲家、俳優。ジャズ、インプロビゼーション、民族音楽が専門。日本を代表するアバンギャルドミュージシャンらと共演を重ねてきた。映画やテレビ番組、演劇向けにも曲を書き、アーティスト役で出演することもある。
今回のコンサートは12月初頭、モスクワの文化センター「ドーム」で行われた。露日バイオリン奏者のデュエットは自然発生的な音楽化作用に満ちたものだった。観客の目の前で楽曲が創造されていく。今ここで音楽が生まれているという魔術的な感覚が生まれていた。露日の演奏家による「バトル」は2時間続き、勝ったのは・・・観客だった。
スプートニクのインタビューでは、両者ともに、出会いは運命的だった、と語る。
太田氏「即興演奏なので会話が弾むときもあれば滞るときもあるが、そのときもそれを乗り越えていくのが楽しいので、どちらでも楽しい。人と人との会話だ。国は違えど、コミュニケーション、シンパシーがある。友達以上の、兄弟みたいなものだ」
なお、太田氏はモスクワの観客について、次のように述べた。
「反応は日本とロシアだとロシアのほうがストレート。日本のお客さんはシャイなので、よかったかどうかよくわからないことがあるけど、ロシアのお客さんは、良かったら本当にいい反応、それほどよくなかったらそれほどよくない反応をなさる。だから怖い反面、ウケたときには嬉しい」
モスクワにおけるアレクセイ・アイギと太田惠資の両氏によるデュエット、その一部をご覧いただきたい。