専門家らは、最も巨大で技術的に複雑な交通輸送拠点を建設することになる。このハブ施設は、地下鉄2つ、そして鉄道2つの路線を一つにまとめる結節点となる。またここには、サンクトペテルブルグとモスクワをつなぐ超特急「サプサン」の駅も作られる見込みだ。
一昨年2015年1月、日建設計は、公共交通機関の駅周辺地区の開発をテーマにしたロシア語の調査書のプレゼンテーションを行った。
当時この文書のプレゼンテーションに参加したモスクワの建築家、セルゲイ・クズネツォフ氏は、次のように述べている-
「今日東京は、モスクワにとって、持続可能な経済成長と快適な居住環境とをうまく調和させたメガポリスのモデルと言ってよい。日本の都市建設の専門家らは、あらゆるノウハウを利用しているが、最も効果的な都市計画ツールの一つが、他ならぬTODだ。これは、大都市の多極的構造を発展させ、すべての地区を、居住者にとっても又旅行者にとっても平等に魅力的で同時にアクセスしやすいものにしている。」
ここで注意を促したい点は、日建設計にはすでに、モスクワにおけるTODプロジェクトの経験があるという事だ。「ボタニーチェスキイ・サード〔植物園〕」地区での乗り換え拠点の基礎を作ったのは同社だった。
スプートニク日本のリュドミラ・サーキャン記者のインタビューに対し、マラート・フスヌッリン副市長は、同社との協力を高く評価し、次のように述べた-
2016年11月、日建設計とロシアの住宅ローン・エージェンシー(АИЖК)は、交通、工学的保証、エコロジーそして景観デザインを考慮した、都市建設プロジェクト作りにおける協力についての合意に調印した。 その際ロシア側の特別の関心を呼び起こしたのは、スマート・シティ(Smart cities)という概念に関する日建の経験である。住宅ローン・エージェンシー報道部は、スプートニク日本記者に「日建は、恐らく極東において自分達の重要なパートナーになるだろう」と述べた。
また日建設計は「ノーヴァヤ・マスクヴァ(新モスクワ)」及びクラスノヤルスクの発展、さらにはサンクトペテルブルグ及びニジヌィノヴゴロドの衛星都市発展プロジェクト作成に参加してきた。しかし都市建設部門において、ロシアと協力関係にあるのは、何も日建ばかりではない。例えば、モスクワ-シティの多機能住宅総合施設のコンセプトは、Kengo Kuma & Associates(隈研吾建築都市設計事務所)が作成した。著名な建築家、隈 研吾氏自らモスクワを訪れ、プロジェクトを説明した。スプートニク通信がつかんだ情報では、モスクワ建築評議会が、他でもない隈氏のコンセプトを選択したという事だ。