交渉の組織は北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を行ったことと金正恩氏の異母兄の殺害事件が起こったことで難航はした。また米国務省がワシントンポスト紙に明らかにしたところでは、米国は「ニューヨークでここ数週間で行われる交渉に参加するための」北朝鮮の代表者向けのビザを承認しなかったことを明らかにしている。ワシントンポスト紙は、いろいろあっても会合が成立した場合、これは北朝鮮の指導者の攻撃的製作によって悪化の一方をたどっていた両国の敵対関係にとっては「一縷の望み」となりうるとコメントしている。
「実際、こうした会合は定期的に行われているが、これが前もって公表されることはなかった。それはいわゆる『セカンド・ロード』という非公式的なフォーマットをもっていたからだ。現在、次の会合は米国マスコミの関心の的になっている。この事実自体がすでに何らかの別のアプローチを示している。また新政権もこの非公式会合によりシリアスな態度を示している。おそらく対話のレベルを引き上げるための何らかのベースが用意されているのだろう。トランプ氏が選挙前に行った有名な声明を思い出せば、この論理が働く。トランプ氏は金正恩氏とハンバーガーを片手に会おうじゃないかと語った。だがこの1度きりの声明をもとにこの件について思い切った予測をたてるのは時期尚早であることはまちがいない。それでも米国政権内でオバマ氏のとっていた方法では功を奏さないという理解に達したとは十分に考えうる。なぜならオバマ前米政権は8年にわたり『アメぬきの鞭』式のメソッドの実現化にやっきになってきたからだ。これはつまり一切の交渉を行わず圧力行使のみを行う方法だ。こうしたアプローチが失敗したことは明白で、制裁にもかかわらず課題はひとつも遂行されなかった。このためトランプ・チームは今、新たなアプローチを探す必要性にかられており、北朝鮮のほうもトランプ陣営と関係を開く初の試みとなる。」
これが理由となって、この状況で新米政権が何をできるかについて「北朝鮮が高い関心を表した」とワシントンポスト紙の消息筋が語ったのだ。なぜなら北朝鮮にとっては米国とようやく合意に達し、関係改善を図る数少ないチャンスとなるからだ。何がこうした期待を目覚めさせることができたか?
ロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮調査センターのアレクサンドル・ジェビン所長は、「この利点についてはひとつ非常に重要な点がある」との見方を示し、次のように語っている。
こうした一方で北朝鮮のミサイルプログラムを国際問題として取り上げたのはまさに米国だった。六者会合は主に米国と北朝鮮が論議を戦わせた。このため両国がもし相互の憂慮を考慮して妥協を行う構えであるのならば、これは将来の六者会合の再開に功を奏するだろう。このことにこそニューヨークで実現するかもしれない会合の意義がある。ジェビン氏は、「ロシアはこうした歩みには大手を振って歓迎する。なぜならその結果、アジア太平洋地域の緊張は緩和されるからだ」との見方を示している。