スプートニク日本
なぜ日本の市民は、このように不安がるのか? 国内テロの脅威という観点から見れば、日本は、厳しい移民関連法や国内の治安レベルの高さのおかげで、かなり平穏な国である。
スプートニク日本のタチヤナ・フロニ記者は、テロリズムとの戦いのプロとして豊かな経験を持ち、現在ロシアの反テロ特務部隊「アリファ」の元隊員達で作る国際組織の副責任者を務めるアレクセイ・フィラトフ氏に意見を求めた。氏は、日本市民の不安について、次のように説明した-
「日本では、テロ行為の準備や共謀、あるいはテロ犯罪を適切な時に事前に通報すると言った概念が、あまりに薄く、それを踏み越えるのは大変容易だ。多分人々は、法案が採択されれば、無実の囚人が一人あらわれるくらいでは済まない、大きな害がもたらされる恐れがあると見ているのだろう。 なぜなら、無実の人間の運命が損なわれるほどひどい事はなく、実際テロを起こしたような刑期になるからだ。」
このように指摘したフィラトフ氏は「ただしテロの脅威は、国によって異なるので、テロリズムを罰する規範は、世界で一つではありえない」とし、さらに次のように続けた-
日本の戦後の歴史において、深刻なテロ事件が起きたのは、1995年3月のことで宗教的過激派グループ、オウム真理教徒らによる地下鉄サリン事件である。このテロ事件により12人が亡くなり、1千人以上が病院で治療を受けた。その後日本は平穏だったが、ここ数年イスラム過激派グループが、米国に忠実な同盟国である日本に対し、テロ攻撃の対象になり得ると何度も警告している。それゆえ、テロ組織「ダーイシュ(イスラム国)」の戦闘員らの捕虜となった日本人2人が2015年に処刑されて以降、日本政府は、国際テロ活動に関する情報を収集するセンターを創設すると発表した。この新しい機関には、中東、北米、東南アジアそして南アジアの4つの部署がある。