日本 世界中から「頭脳」を集める

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日本の法務省は、外国から日本に才能ある専門家や高度熟練労働者を日本に招く際、永住権を彼らに与える手続きを簡素化する。これまで外国人は、永住権取得の申請をするのに最低日本に5年間居住する必要があった。新しい法律によれば、その期間は、70ポイント以上獲得した人は3年まで、80ポイント以上獲得した人は1年にまで短縮される。このポイント・システムは、教育レベルや職業的熟練性、年収といった基準にもとづいて決められている。

NYが移民支援プログラムを始動へ マスコミ報道 - Sputnik 日本
NYが移民支援プログラムを始動へ マスコミ報道
スプートニク日本

現在多くの国々は、有能で将来性のある専門家達を自分達の国へ招くことを文字通り競い合っており、その条件を緩和し、様々な特典を設けている。サンクトペテルブルク大学経済論講座のエレーナ・ヤコヴレワ教授は、スプートニク日本記者のインタビューに対し「こうしたプロセスは避けられない、恐らく日本は、米国流の『グリーン・カード』導入の道に沿って進むだろう」と指摘し、次のように続けた-

米国においてハイテク産業が成功した主な要素の一つは、世界中から有能な専門家を集めた事だ。現在トランプ大統領は、若干の国の人々に対し労働ビザを迅速に発行することにブレーキをかけ、それによって米国への学者やエンジニアの流入を減らしてしまった。もしトランプ大統領が、そうしたやり方で、米国人の雇用を守ろうとしても意味がない。学士あるいはそれ以上のレベルの熟練労働者間の失業率は、2,5%に過ぎないからだ。おそらく中国は、そうした政策から利益を引き出そうとしている。先日、中国最大の検索エンジンを提供する企業Baidu(百度)のロビン・リー会長は、才能ある移民が中国の産業において新しいテクノロジーを開発するのを助けるために、ビザ制度を簡素化するべきだと述べた。日本も、同様の道を進んでいる。そもそも自分の出身国の外で、何百万もの熟練した専門家が、ITやハイテク、科学技術、経済及び金融、教育、医療といった領域で働いている。OECD(経済協力発展機構)加盟諸国内だけでも、高学歴移民の数は、この十年で70%増え、2500万人を突破した。これらの人々のうち、三分の一以上が、博士あるいは博士候補のレベルにある。なお移民の五分の一は、中国やインドそしてフィリピン出身者だ。

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日本の厚生労働省のデータによれば、2016年、国内における外国人労働者の数は、前年2015年に比べ20%増え、100万人をかなり超えた。ただそのうち、高い技能を持った熟練労働者は2688人に過ぎない。なお外国人労働者の中で一番多いのが中国人、それにベトナム人が続き、韓国人、マレーシア人、フィリピン人、米国人の順になる。最近日本では、移民に関する法律に修正が加えられ、それにより、病人や高齢者、寝たきりの人達の面倒を見る外国人介護専門家が、新しいタイプのビザで日本に入国できるようになる。日本では農業も含め一連の分野が、人手不足に悩んでいる。在日ロシア人の組織「ロシア・クラブ」のミハイル・モズジェチコフ代表は、スプートニク記者の質問に対し「人手不足となっている仕事は、日本人の大部分が、自分ではやりたがらない仕事だ」と指摘し、次のように答えてくれた-

日本はこれまで、安い労働力が国内に入るのを積極的に抑えてきた。今回できた新しい法律は、外国人熟練労働者の数を増やすことに向けられているが、一方で、未熟練労働にたずさわる外国人の流入をコントロール下に置くことにも向けられている。

完全な自動化が行えない多くの職種があり、日本人自身が働きたがらない多くの仕事もある。例えば、工場での手作業による組み立て、道路工事、野菜の洗浄、病人の介護といったものだ。まさにこうした場所に、働き手が求められており、不本意ながら日本政府も、一定数の外国人を国に入れることを余儀なくされている。ここで優先されるのは、かつて外国に移住した日本人の子供や孫、ひ孫である。その一方で日本人達は、世界の傾向を見守り、国内に『外国の頭脳』を受け入れる米国の経験を真似ようとしている。おまけに、国民の高齢化や出生率の現象がそれを促している。

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日本の人口動態学の専門家の予想によれば、21世紀半ばまでに、日本の人口は1億人を割り込む可能性がある。その際、人口のかなりの部分(およそ40%)は、年金生活者で占められる。低い出生率のため、国内では労働力が不足する一方、勤労者は、増大する年金生活者を然るべきレベルで扶養する事が出来なくなるだろう。日本政府は、手作業をロボットに変えたり、出生率を上げるよう刺激したり、できる限りのあらゆる措置を検討している。そうした中で最も極端な措置として、入国制限の撤廃もあり得るが、今のところ日本社会には明らかに、それを受け入れる準備が整っていない。

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