例えは日本がそうだ、日本政府も、出生率の減少によって、2065年までに4000万人の国民がいなくなるかもしれないと警鐘を鳴らしている。これは。国立社会保障・人口問題研究所の専門家達の発表だ。
2016年の調査では、独身男性の70%そして未婚女性の60%に相手がおらず、性行為をしていないという。
現代社会では、性的嗜好発現の可能性が広がり、モバイルアプリケーションも自由になり、男女の出会いを積極的に助けている状況にあるにもかかわらず、人々は、ますます性行為をしなくなってきている。
スプートニク記者は、この切実なテーマについて、ロシアの性問題の専門家レフ・シチェグロフ氏に聞いてみた。氏は「時に我々は、いかに世界が急激に変化しているのかを忘れるものだ」と指摘し、次のように続けた-
「30年前、世界はHIV感染により絶滅すると言われていた。今は、それが例え長くかかるとしても、慎重に治療していけば、エイズを結核のように直すことができる。それより前は、人類は、結核の蔓延によって死滅するだろうと言われていた。それゆえ、そうした傾向が見られるとしても、不安になるのはまだ早い。なぜなら、この問題に対する基礎的にしっかりとした本格的な研究は、まだないからだ。代わりに、多くの似非科学的情報やフェイクニュースを、ますます頻繁に無責任なマスメディアが流し、センセーションを巻き起こしている。必要なのは、生理学者や医師、教師、性科学者、心理学者が参加する強力な、文化横断的研究である。今のところ私は、そうした研究を目にしていないし、読んでもいない。傾向が新しいものなので、まだ表れていないのだろう。それゆえ、21世紀の現代人の性欲が、破滅的なレベルまで低下しつつあるとの結論を出すのは、まだ時期尚早だ。」
とはいえ日本では、多くの若い人々が、実際上ますます関係を持つことを恐れ、セックスに対する興味を失っている。そうした現象は「セックスしない症候群」と呼ばれている。
歴史的に日本人が、決してSEXそのものに関心がなかったわけではないことを考えれば、この状況は驚くしかない。あるいは、これば「ミレニアム世代」が携帯電話やタブレット端末そしてTV画面ばかりに夢中になっている事と、やはり関係があるのではないか? バーチャル(仮想現実的)な世界にばかり目が向いて、生身の人間と関係を持とうという要求が薄らいでいるのかもしれない。
シチェグロフ氏は、この事について、次のように述べているー
日本で1899年、子供達の出生が記録され始めてから、年間の新生児誕生数は、一度も百万人を下回らなかった。しかし昨年2016年、その数は約99万人だった。
ロシアにおける新生児の誕生数は、昨年、日本のほぼ2倍、200万人近い185万9850人だった。しかし、かくも広大な国土を持つ国家としては、この数は少ない。しかしホッとする数字もある。昨年2016年のロシアにおける中絶数は9万6300件、つまり13%減った。世界で最も妊娠中絶が多いのは中国で、917万3100件である。米国は121万3000件、ロシアは120万8700件とそれに続いている。一方日本は、24万2300件とはるかに少ない。
この数十年の間に、現代ロシアにおいてSEXに対する態度は変化しただろうか? 社会レベルではどんな変化があっただろうか? この問いに対し。シチェグロフ氏は、次のように指摘している-
シチェグロフ氏の意見によれば、肝心なことは、ソ連時代と違って、現代のロシア人達は、SEXというものが極めて個人的なもので、社会的なものではないと理解するようになった点だという。しかし重要なのは、現実を絶えずファンタジーに置き換えないようにすることである。大衆雑誌が今日しばしば、実生活の中で読者がそうなるのは到底困難なヌードの非現実的基準を設定していると、批判されるのは決して偶然ではない。雑誌の基準に合わせて、女性達や、とりわけ男性達は、自分のパートナーあるいは自分自身にも過大な要求をしてしまう。そして新しい性的関係を時折、単に恐れてしまっている。そうした理由から、性問題の専門家らは、あまりポルノに夢中になることは良くないとアドバイスしている。なお現代では、日本の大手衣料チェーン「ユニクロ」の中国・北京にある店舗で起きた「試着室性行為動画流出事件」のように、SEXが、何百万ものネットユーザーにとって大変素晴らしい広告になることもある。