この訪問は、JETRO (独立行政法人日本貿易振興機構)のイニシアチブによるもので、ロシア側からは、極東発展省、極東投資輸出機関(FIEA)が参加している。訪問は、昨年12月にFIEAとJETROの間で結ばれた協力に関する覚書の枠内で行われている。
3月にJETROは、日本の起業家たちのために「ウラジオストクとハバロフスクのスタイル」と題された調査を発表した。これは、極東の2大都市の消費者市場についてのものである。
今回日本側の関心は、サービス業に集中しており、ロシア極東に支店を置きたいと考えているレストランやエステサロン、教育サービス、流通・小売りネットワークなど、22もの企業の代表が参加している。
JETROモスクワ事務所の野村 邦宏(のむらくにひろ)所長によれば、最近モスクワ事務所では、具体的にロシア領内でのビジネス活動実施を担当する10人の専門家を追加したとの事だ。彼らの課題は、ロシア市場への参入を希望するあるいは参入している、中小企業をはじめとした日本企業に対する支援だ。専門家達は、あれやこれやの市場調査、需要と供給の検討、ビジネスプラン立ち上げ、パートナー探しやパートナーとの契約締結における援助などを行なうことになる。
6月に開かれたペテルブルク国際経済フォーラムで、アレクサドル・ガルシカ極東発展相は、投資家達にとって極東により良い諸条件が作られつつあることについて報告した。彼は、日本の投資家達のためにロシアの法律に変更が加えられた例を挙げ、自身の発言に重みを持たせた-「我々は、双日がハバロフスク空港の共同出資者になることに関心を抱いていた。そのためには、その種の問題を調整するシステム全体を変える必要があった。ロシア連邦政府も、ロシアの空港への長期投資調整に関する特別決議を採択した。しかしその基盤に置かれたのは、日本の投資家の利益だった。」ガルシカ極東発展相のデータによれば、日本の投資家達は、極東の様々な地域の21のプロジェクトに、160億ドル以上を投入している。
ビジネス・ミッションのメンバー達は特に、沿海地方における漁業や農業、自動車産業、観光さらには教育サービスに関心を示した。Farmdo Corporationの岩井雅之(いわいまさゆき)代表取締役は、一年を通じて野菜栽培が可能な太陽熱発電による温室を沿海地方に建設する意向を明らかにし、次のように続けた-「我々の投資プロジェクト額は、10億ルーブルを越えている。先行発展領域『ミハイロフスキイ』に約30ヘクタールの土地を得て、できるだけ速やかにプロジェクト実現にかかりたいと望んでいる。」
沿海地方のワシーリイ・ウソリツェフ第一副知事は、特別に投資家支援のために作られた極東発展コーポレーションを、岩井代表取締役に紹介した。
同コーポレーションの職員オレーシャ・ボンダレンコ氏は、スプートニク記者のインタビューに、次のように答えた-
日本やロシアの企業家達が感じているビジネス情報の不足を克服するために、極東発展省のパーヴェル・ヴォルコフ担当官は、JETRO指導部に、極東投資輸出機関のプロジェクトを管理するシステムとJETROが作成した国際ビジネス交流発展サイト(ТТРР)との間での、情報交換の可能性を検討すべきだと提案した-「我々は、日本側からのより大きな協同行動を欲しており、極東に来られる日本人投資家の方達を支援する用意がある。日本企業にもロシア企業にも、日本側パートナーが極東についてよりよく知り、またロシア企業が日本側に自分達の提案を伝えるために、情報支援が必要不可欠だ。」
ТТРРのサイトは、世界160カ国以上のビジネスマンが利用している。
それらのビジネス提案は、日本のユーザーが、英語ばかりでなく母国語で目を通せるように、JETROのチームが日本語に訳している。ロシア極東発展省は、極東投資輸出機関と共に、このサイトに、極東で実際に実現されつつあるプロジェクトや、日本のパートナーが関心を持ちそうな提案についての情報を伝えたいと考えている。