絶望行動。ドイツで難民の自殺件数が増加

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ドイツでは難民や亡命申請者の自殺に関する報道が増える一方だ。しかし、どうやら国家機関では、こうしたケースの集計をほとんど行っていない。スプートニクはドイツの連邦および州の管轄機関に、難民と亡命申請者が近年、何件の自殺と自殺企図を行ったのかを問い合わせた。

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すると明らかになったのが、ドイツ内務省も労働社会問題省も連邦移民難民庁(BAMF)も難民による自殺企図と実際の自殺について、一覧データを所有していないということだった。各省では、州の機関に問い合わせるよう勧められた。

スプートニクが16の連邦州すべての管轄機関に問い合わせた結果、自殺と自殺企図に関するデータを提供してくれたのは、バイエルン、ニーダーザクセン、ハンブルク、ザクセン、ザクセン=アンハルトの5つだけであった。このうち、毎年発表される警察の犯罪統計にこうしたケースを組み込んでいたのはバイエルン州のみであった。バイエルン州では昨年、158件の自殺企図があり、そのうち自殺に至ったのは4件だった。

難民は電車に飛び込み、屋根から飛び降りる

ハンブルクでは、2016年7月から2017年3月までの期間に44人の難民が自殺を試みた。これは、左翼党議員の問い合わせに対する市政府の回答に記されていたものである。これら自殺企図のうち、1件が死亡に至っている:3月にイラン人の成人男性が市内の鉄道に身を投げた。

ザクセン州政府のデータでは、今年になって難民の自殺企図が30件記録されており、そのうち2件が死亡に至っている。エリトリア出身のシーウィット(Shewit)さん(17歳)は、亡命申請が棄却されたことを知った2月24日に自殺した。パキスタン出身のファイサル(Faisal)さんは3月30日、ライプチヒのとあるマンションの屋根から飛び降りた。必要な(心理的)ケアが受けられなかったものと見られる。

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「自殺の試みは、絶望行動である」

ザクセン=アンハルト州難民問題会議の報道官シュテファニー・ミュルベ(Stefanie Mürbe)氏はスプートニクのインタビューで、このように状況を説明した。「これは絶望行動であることがほとんどです。というのも、強制退去になってしまうからです。私自身、難民や亡命申請者から同様の、あるいは似たような脅迫を何度も耳にしたことがあります。「もしも強制退去になったら自殺する」と言うのです。私たちはこれを常に真剣に受け止めなければなりません。彼らの顔には絶望が浮かんでいるのです。」

コインの裏側

それと同時に、ドイツでは難民による犯罪の報道も絶えることがなく、当然ながら、大きな反響と批判を呼んでいる。例えば、ドイツ西部のザールブリュッケンで、27歳のシリア人難民が心理カウンセリングの最中にカウンセラーを切りつける事件があった。このシリア人は自分自身にも多数の傷を負わせた。

スプートニクが以前伝えたところでは、17歳のシリア人難民が関与して、最終的に斬り合いにまで発展した一連の事件を受けて、ドイツのコトブス市では6月1日以降、アルコールの販売禁止が導入されるに至った。

いずれにせよ、自国で不安な思いをしたくないと感じるドイツ人も、住む場所を奪われて亡命を求めようとする難民も、いずれも状況の被害者に過ぎない。この状況から抜け出すための解決策は見つかるのか。時を待つしかない。

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