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日本は暗号通貨を合法的な決済手段とすることを法的レベルで決めた世界でも最初の国に数えられている。
チトフ氏はロシア中央銀行に宛てた書簡で日本で今年3月にビットコインなどの仮想通貨を支払手段として認めた改正資金決済法が採択されたことに言及し、同法は、仮想通貨は有価証券や電子マネーとは異なり、資産価値に同等なものと位置づけられ、支払い手段に用い、自由な売買ができるものとしていることを説明した。このことで日本では主に3つ大きな変化が生じた。1つはこの措置で仮想通貨をマネーロンダリングのために使うことができなくなったことだ。これが可能となったのは日本がビットコインのを実際のお金に兌換するオペレーターの登録を開始しはじめたからだ。また法律によって仮想通貨取引所は顧客情報をチェックし、疑わしいトランザクションについて通知し、チェックのプロトコルを保存することが義務付けられた。特に金融資産管理の部門には監査とクレーム対応の作業工程が義務化された。
調整は課税にも言及した。日本は仮想通貨をリアルマネーに交換する際に税金がかからない。その代わり仮想通貨を支払いに使う際にはかかる仕組みになっている。ところが日本でさえ、法人がビットコインで決済する場合には税金をどうするかについては明確な理解がまだ出来上がっていない。
ロシア財務省と中央銀行は近日中にも政府に対し、ロシアの法的フィールドに仮想通貨をどう溶け込ませるかについて独自の提案を行うことを約束している。ロシアでの仮想通貨の調整はデリバティブの調整に似たものとなると予想されている。少なくともこうした予想をモイセーエフ財務次官や下院(国家会議)金融市場委員会のアクサーコフ委員長は口にしている。ふたりは仮想通貨を金融ツールとして、有価証券やデリバティブと同等とみなすことを提案する存在だ。アクサーコフ委員長は「この取引は付加価値税がかからない。このためビットコインを使った取引でもかからないはずだ。だが仮想通貨をリアルマネーに交換する場合はかかる。国がデジタル通貨を禁止しようとしたとき、採掘(マイニング)に従事する夥しい数のデーターセンターは外国へと拠点を移してしまった。このため今、仮想通貨の採掘者らはアジア諸国の、例えば日本や中国の取引所を利用している」と語っている。
スプートニクは国際会計事務所KPMGモスクワ支社で未来技術のコンサルタントグループを率いるニコライ・レクコディモフ氏にインタビューを行い、ロシアには日本のモデルを取り入れることが可能かどうかをたずねた。
「ロシアにおいて『日本型のモデル』を使う際にキーとなるいかに透明度の高い取引のトレッキングを行うかという問題は独自の仮想通貨サービスのインフラをレギュレーターの側に組織することで実現化が可能だ。こうすることで管理の最も大事なポイントである支払いの瞬間に仮想通貨のあらゆる流れに関する必要なデーターがすべて集まる状態が作られる。この基盤に最新のデーター分析メソッド(ビッグ・データー)を使い、非常に高質な法的支援を受ければ『グレー』スキームだろうが『ブラック』スキームだろうがモニタリングのあらゆる必要なメカニズムが実現できる。このようなサービス、それのレギュレーターへの連結が普及すれば、仮想通貨は扱いたいが、法的フィールドでの作業のリスクは負いたくないという企業らを陰から引っ張り出すことが可能となる。」
仮想通貨の法基盤は世界ではようやく形成されはじめたばかり。だどこにもしっかりとした法基盤はなく、この方向性でみんなが作業をしている状態にある。しかも一連の諸国で中央銀行と財務省の中にこうした法律を準備する専門家集団が形成されている。また今日の時点で仮想通貨を法的に貨幣だと認めている国はひとつもないことも注目に値する。これは貨幣手段ではあるものの、法的にはそうではないととらえられている。様々な取引所で仮想通貨の価格が異なるため、課税問題にはすべての国が頭を痛めている。こうした問題があっても仮想通貨の、とくにビットコインは人気は世界中で高まっている。それでもコーヒーの支払いをこれで行おうという人はいないに等しいのだが。