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コロレヴァ氏はEUと日本の自由貿易圏合意をグローバリゼーションの枠内で作業する上で最良のツールと捉えている。
「この野心的同盟で は双方の貿易関係を改善するだけでなく、保護貿易主義から守り、投資の流れを変える上で役立つだろう。合意で双方は、年間最高で10億ユーロにも達する関税 を回避することができる。」
日本とEUのGDPは合わせると世界のGDPの28.4%を占めている。
「EUは7年をかけて日本製自動車への関税撤廃を約束した。これで日本車はEU諸国への輸出で突き当たる障害が最小となる。日本も15年をかけて欧州からの輸入チーズへの関税を減らす。チーズは欧州ブランドの1つとして有名で日本では人気が高い。チーズ関税は引き下げられ、3万1千トンを超える量についてはゼロ関税になる。パスタ、チョコレートへの関税も引き下げられる。」
コロレヴァ氏はこの合意には非常に重要な地政学的側面もあると指摘している。
「日本はアジアの経済統合で長年にわたり重要な役割を演じてきた。ところが近年、中国の台頭で立場を追われている。だが中国の拡張や市場参入はあちこちで制限がかけられているが、その一方で日本に対する信頼度は比較にならぬほど高い。この観点からしても日本はやはり勝っている。」
銀行も欧州、アジアの巨大プロジェクトへの融資により積極的だ。この合意が達成された暁には融資プロセスは双方にとって今までよりも楽に進む。
スプートニクは先日、日本とEUの合意についてロシア高等経済学校の専門家アンドレイ・フェシュン氏の全く相反する見解をご紹介した。その記事はこちらからお読みください。