北海道総合商事、ごみ問題に悩むヤクーツク市に焼却炉をプレゼント

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スプートニクの徳山さんと天間氏 - Sputnik 日本
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6日から開かれていたロシア・ウラジオストクにおける第3回東方経済フォーラムで、北海道総合商事の天間幸生社長がスプートニクの独占インタビューに答えた。会社設立からまだ2年にも満たないが、すでに同社のサポートを受けた道内の企業が、ロシアにめざましく展開している。

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天間氏はみちのく銀行ハバロフスク支店や北海道銀行ウラジオストク駐在員事務所勤務などを歴任した経験から、中小企業がロシアに進出する際に障壁になるポイントを熟知していた。2015年10月の北海道総合商事設立とともに社長に就任し、翌年1月から本格始動。代金決済や物流、言葉の問題などのロシアビジネスにおける困難を、ワンストップでサポートする仕組みを作った。これに対し、ロシア展開を希望しているがやり方がわからなかった企業が次々と反応し、問い合わせが相次いだ。さらにウラジオストクにも子会社「ペガスHC」を設立。現地法人があることで情報収集がよりスムーズになり、大手商社にはない、きめ細かいサービスを提供している。

天間氏は「ロシア側から、北海道産品や寒冷地技術に非常に興味を持ってもらい、現実的な商売につながっています。潜在的にロシア展開を望んでいた企業を我々がサポートすることで、ここ一年半くらいで一気に広がりが出てきました」と話す。日露両政府による経済協力の活発化という背景もあり、ビジネスを進めていく上で良い雰囲気ができている。

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今回の東方経済フォーラムでは、北海道総合商事が手がける2つの事業に関する覚書が締結された。昨年からスタートしている、ヤクーツク市における温室野菜栽培は、栽培施設の第二期工事が予定されている。これまでトマトを栽培していたが、第二期工事の温室ではきゅうりをメインに栽培する。施設の建設だけでなく栽培技術指導にも携わる。温室はヤクーツク郊外の工業団地「カングラッスィ」に位置しており、新型経済特区の一つに指定されている。ここに施設を設ける利点について天間氏は「ランニングコストが優遇される、という面ではメリットが出てくるでしょう。経済特区以外の場所でやるよりも資金調達が有利になると考えています」と話す。

温室野菜栽培を通してヤクーツク市との信頼関係が深まった結果、新しいプロジェクトも生まれた。北海道総合商事は、ロシア中の市長を悩ませている重要課題・ごみ問題の解決に乗り出すため、ヤクーツク市に焼却炉を無償提供する。以前は、広大な土地があるためにほとんど環境に配慮してこなかったロシアだが、最近ではエコに対する問題意識が高まってきているのだ。

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天間氏「温室栽培事業を一緒に取り組んでいるヤクーツク市と情報交換する中で、ごみ問題についての相談を受けていました。ロシア極東と北海道は、広大な土地があって集落が点在しているという点で似ています。そういう場所には、サテライト的に焼却炉を設置するというやり方がマッチしています。まずは、ロシアの環境基準に合わせて改良するために、ダイオキシンの発生を大幅に抑えた小型の焼却炉を無償提供します。来年の春までに設置し、夏頃から燃焼試験など色々なテストをしてみたいと思っています

8月末に新潟市内で開催された「日ロ沿岸市長会議・日ロ沿岸ビジネスフォーラム」においても、出席した極東シベリア地域の市長らが最も熱心に視察していたのが、長岡市にある「生ごみバイオガス発電センター」だった。地域のニーズにマッチした環境に優しい小型焼却炉は将来、ヤクーツクだけでなく、ロシア全土のごみ問題を大きく改善させてくれるだろう。

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