スプートニク日本
日本には地域の特徴を生かした伝統工芸品が約210種類あるが、寄木細工もそのうちのひとつ。天然の木材がもつ色彩と木目を生かし、美しい模様を生み出す精密な木工芸術で、今日に至るまで200年以上も継承されている。寄木細工の技法は世界中で箱根にしかなく、寄木細工を初めて見たロシア人は一様に驚いていた。
ワークショップでは、石川さんが寄木の組み合わせを特殊なカンナでスライスし、「ヅク」ができる様子を実演した。ヅクからは天然の木の芳しい香りがした。その後、参加者はコースター作りに挑戦。あらかじめ同じ大きさの台形に加工された木のチップを組み合わせて、自分の作りたい形を考える。そこから生み出せるデザインは無限だ。参考までにデザインの見本も配られたが、中には見本と全く違うオリジナリティにあふれた作品を考え出した人もいた。子どもたちも真剣に取り組んでいた。
© 写真 : Asuka Tokuyama寄木をカンナで薄くスライスすると、「ヅク」ができる
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© 写真 : Asuka Tokuyama
寄木をカンナで薄くスライスすると、「ヅク」ができる
© 写真 : Asuka Tokuyama真剣にデザインを考えるソフィアちゃん
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© 写真 : Asuka Tokuyama
真剣にデザインを考えるソフィアちゃん
© 写真 : Asuka Tokuyamaお花のコースターが完成!
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© 写真 : Asuka Tokuyama
お花のコースターが完成!
© 写真 : Asuka Tokuyama寄木細工作品の数々
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© 写真 : Asuka Tokuyama
寄木細工作品の数々
© 写真 : Asuka Tokuyamaお盆を手にする石川さん。胸にかけたペンダントも手作り
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お盆を手にする石川さん。胸にかけたペンダントも手作り
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寄木をカンナで薄くスライスすると、「ヅク」ができる
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真剣にデザインを考えるソフィアちゃん
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お花のコースターが完成!
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寄木細工作品の数々
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お盆を手にする石川さん。胸にかけたペンダントも手作り
日本女性のシンボルである撫子をイメージしてコースターを作ったナタリア・ゴロノワさんは、17年前に初めて日本に旅行したことがきっかけで日本のとりこになり、モスクワの裏千家茶道クラブに入会。今では茶道講師になった。日本が大好きだというアレクサンドラ・ピリペンコさんは「どれだけ長い間、寄木細工の技術と知識が代々伝わってきたのかと考えると、感銘を受けます。ぜひ箱根に行って、寄木細工でできた日用品を見てみたいです」と話してくれた。
伝統工芸といっても同じものをずっと作り続けているのではなく、職人がその時代に合ったものを絶えず試行錯誤して生み出しているのだ。石川さんは「日常生活を豊かにする作品をつくり、寄木細工を通じて新しい生活文化を創造したい」と話す。
石川さん「ここ数年『雑木囃子』のメンバーが、コスタリカやエジプト、キルギス、タジキスタンなどに、寄木細工を広めるために訪問しています。私もロシアに来てあらためて、世界に通じる寄木細工の可能性を感じました。若い人にも目を向けてもらえるように、普段使いのアクセサリーや、マウスパッドなどもあります。単なるお土産ではなくその上を目指して、寄木の美しさを伝えられるような作品づくりをしていきたいと思います」