二酸化炭素量の変化はおよそ100万年続き、米マサチューセッツ工科大学の研究者によると、その変化は遠い過去の大量絶滅と同時に起きていた可能性がある。
科学ニュースサイト「サイエンスアドバンセス」に公開された論文の著者によると、前世紀に二酸化炭素排出量が増えたことで、地球は第6次大量絶滅の瀬戸際に立っている。
研究者は二酸化炭素の鍵となる2つの水準を取り出した。その1つは地球のプロセスとともに100万年間ゆっくりと変化しているもの。この長い時間スケールにおける大量絶滅は、二酸化炭素の排出速度が地球の臨界率を越えた時に起きる。臨界率も変化しており、その変化はおよそ100万年かそれ以上と、非常にゆっくりと続いている。
短い時間スケールにおける二酸化炭素量の変化で重要なのは変化速度ではなく、大気中に排出される二酸化炭素の量だ。研究者は大量絶滅が臨界サイズを超える時に起きるとの仮定を立て、それは2100年ころに起きる可能性が高いと見ている。
マサチューセッツ工科大学の地球、大気、惑星科学教授であり同論文の著者であるダニエル・ロスマン氏の計算では、二酸化炭素の臨界質量はおよそ310ギガトン。この量を超えても当然、翌日すぐに大量絶滅が起きる、ということではない。大量絶滅にはおよそ1万年かかる。しかし、この量を超えることで地球は異なる状態に移ってしまうのだ。