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前大統領が今の問題
ラブロフ外相は、現在露米関係が難航しているのはオバマ前政権が「こせこせと執念深く行動し、この遅発性の地雷を露米関係に仕掛けたため」だと語った。
「ノーベル平和賞受賞者からこんなことは予想していなかった。だが彼は概言すれば、本性を現し、それが現在に至るまで影響を与えている。」
ラブロフ外相は、ロシアが全ての衝突の解決に対する責任者にされていることに不満を示し、「あなた方は何といいますか、朝鮮もイランもシリアもウクライナもひとまとめにして、全てこれは露米関係の問題だとしている。ロシアをあらゆることに対する責任者として一部の政治家が任命していることは今ひとつ気に入らない。ロシアと中国は北朝鮮問題を解決すべきで、ロシアはシリアに関してあれやこれやをすべきだ、と。私たちには全く関係ないイエメン危機にいたるまで、他の危機に対する責任者として私たちは任命されている」と強調した。
「あなたがたに彼らの金はいらないでしょう」
ニューヨーク訪問の最終日、ラブロフ外相はシリアのムアッリム外相と会談し、米国がデリゾールにおけるシリア軍の進軍妨害を試みていると述べた。
ムアッリム外相は「この功績は非常に重要だが、問題は依然として、米国にロシアの手柄を認める用意があるか否かにある」と指摘した。
「褒賞金か何かですか?」と皮肉っぽく答えたラブロフ外相に対し、ムアッリム外相は笑みを浮かべて「あなた方に彼らの金は必要ないでしょう」と返した。
それに加えてラブロフ外相は、シリアにおけるテロリズムが打ち負かされることに自信を示し、その後は違法に滞在するもの全てを取り除く必要があると述べた。さらに、シリア分割を許すわけにはいかず、さもなければ「連鎖反応が中東全域に及ぶ」とした上で分割について、「そこ(中東)で常に混沌と混乱を維持することで得をする一部の人々にとって、達成したい物事だろう」と指摘した。
ラブロフ外相は、北朝鮮をめぐる情勢解決において、お互いを無視するよりも常に顔を合わせて話す方が得策だとした上で、記者団に対し「このメカニズムについてせめて話し合い、北東アジアにおけるこうした平和安全メカニズム形成に関して何らかのプロセスをせめて始めていれば、おそらく、北朝鮮との恒常的なチャンネルも生まれていただろう。そしてこのチャンネルの枠組で北朝鮮は(北朝鮮の核問題を巡る6者会合に出席する)6カ国の懸念をより良く理解していただろう。そして6者会合のメンバーもおそらく、わずかでも北朝鮮の懸念を理解し、その懸念が何らかの根拠を持つものなのか、想像の産物なのかを理解していただろう」と述べた。
ラブロフ外相は朝鮮半島における戦争勃発が容認されないものである以上、「熱くなった頭を冷やし」て、一時停止するよう呼びかけた。
第72回国連総会のハイレベル一般討論演説の開始日にトランプ大統領はイランが「ならず者国家」で「腐敗した独裁国家」だとして、暴力を輸出していると批判した上、イランとの核開発合意を「米国の恥」と切り捨てた。
米国のティラーソン国務長官はこれを受けて、核合意は「修正」が必要だと発言。イランのロウハニ大統領は一方、合意を遵守する姿勢を示し、修正案をばっさりと退けた。
ロシアの意見もイランと同じで、ラブロフ外相は「このプログラムを救う必要があると述べたのはロシアだけではない。話し合いに出席した全ての欧州諸国がそう言ったし、国連加盟国の大多数もそうだ。プログラムは仕上がっており、国連安全保障理事会決議案で承認されている。このプログラムを解体することは達成したこと全てを無にすることと同義だ」と述べた。
ラブロフ外相によると、米国とイランに何らかの懸念があるならば「適したフォーマットの枠内でそれを解決する必要」がある。