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アジア太平洋研究所日本部門のヴィタリ-・シュヴィドコ部門長によると、早期解散とそれに続く選挙によって安倍首相が自民党のポジションを保ち、より盤石にしようとしている。シュヴィドコ氏は、盤石化にもっとも都合が良い時期は12月ではなく9月だとして「安倍首相の支持率は、一連のスキャンダルを受けて夏に支持率が最低になったことを受けて7月に内閣を改造した後にやや上がった。9月中の支持率改善は早期解散をするためにも最適な瞬間だと、安倍首相が決断した可能性もある。そのうえ、野党は最近のスキャンダルに関する聴聞会の実施を求める要求を依然として取り下げていない。だが、議会が解散されれば当然、聴聞会も一切起きないことになる」との見方を示した。
確かに安倍首相には急ぐ理由がある。復活した支持率は確固たるものとは言えないためだ。安倍首相は何より、元自民党の若狭勝氏らが政治団体「日本ファーストの会」を基に立ち上げた新党を危惧すべきだろう。若狭氏とともに新党を立ち上げる東京都の小池知事は、新党を「希望の党」として、自ら代表となる考えを明らかにした。小池知事は東京都選挙の実施直前に起きた衝突から同じく自民党を離党した。複数の専門家は、希望の党が今後、主要政党になる可能性を除外しない。
前回の衆院選挙は2014年12月に行われ、自民党と公明党の勝利に終わった。自民党は2017年度、現行の政策を続けるため支持率をできるだけ早く回復させようとしている。政策のなかでも特に、憲法第9条の「平和」条項見直しのための憲法改正を達成しようとしている。さらに有権者の支援を受けて、安倍首相は「アベノミクス」による経済改革を進めようと計画している。
安倍首相は、28日に召集される臨時国会の冒頭で衆議院を解散すると表明した。与党と首相を決める総選挙は10月22日に実施される見通しだ。