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TPP参加11カ国が9月21、22の両日に東京都内で開いた首席交渉官会合で、日本の梅本和義首席交渉官は、TPPの早期発効を呼びかけた。日本は、米国が最終的にトランプ大統領の「アメリカ・ファースト」政策を見直すことに期待している。これは理にかなっている。なぜなら安倍首相は、パートナーシップが自動車をはじめとした日本製品を米国市場に開放するという意味で、TPPに大きな期待を寄せていたからだ。
高等経済学院世界経済国際政治学部准教授のアンドレイ・フェシュン氏は、通信社スプートニクのインタビューで、新たな状況の中で日本は米撤退後に空いた場所を占めることが可能だとの見方を示し、次のように語っている-
「日本にTPPへの参加を説得するために非常に長い時間がかかった。だが日本の当局が決定を下した時、彼らは農産物をはじめとした自国の生産者たちを説得するために多くの努力をしなければならなかった。そのため今、この計画を簡単に放棄することは道理にかなっていない。さらに米国がいない中で日本はTPPをめぐる状況を喜んで引き受けるという印象がある。なぜなら将来的に日本の前には広大な市場が開かれるからだ。他の参加国については、複数の国が米国に続いて離脱する恐れがあった。なぜなら米国のサポートがなく、また米市場もないのであれば、必要な量の自国の製品をはたして売ることができるのかをこれらの国は真剣に考えなければならないからだ。だが交渉プロセスは進んでいる。各参加国には、それがたとえ限定されたものだとしても、TPP参加国と無関税で取引することを望む独自のサービスや商品がある。無関税は、TPPのキーワードだ。そのため彼らにもまた一定の利益を約束するTPPから離脱する理由はない。複数の国が自国の利益のためにTPPの複数の条項の見直しを押し付けようと試みる可能性があり、今も行われてはいるが…」。
TPP実現に向けたプロセスはすでに5年も続いている。しかし最終合意はまだ見えない。一方、日本とEUが今年7月に4年間の交渉を経て締結した自由貿易協定は、TPPをめぐる技術的問題の解決に希望を与える。グローバリゼーションのプロセスは、一つの合意を破棄して自国の市場を守ることを不可能にするところまで進んだ。