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住民投票が開催された10月1日、マドリードとバルセロナの関係は高まりの頂点に達した。カタルーニャ人らは、(スペイン政府が違法としている)住民投票後、スペインからの独立手続きを始めるために必要なすべての条件が揃ったとしている。
その数日前、イラクのクルド自治区においても同様の投票が行われた。投票では、イラクからの独立賛成が多数を占めた。この説得力のある投票結果は周辺諸国のクルド人らにも影響を及ぼしイラクの安全保障を揺るがしかねない。
セグラ氏は「民族自決権を認めている国は非常に少ない。カタルーニャ人は民族自決権を、その詳細について記されている国際法と国連決議を根拠としている。しかしながら、国連決議に記されている行動は、植民地支配下にある場合、及び人権を侵害されている奴隷化された少数民族によってのみ可能である」と語る。
また、同氏によれば「カタルーニャのような自治区」がこの定義に該当する可能性はきわめて低いということだ。スペイン国憲法にしても、自治憲章にしても、カタルーニャ自治州政府に対し幅広い権限を与えているからだ。スペインの領土保全が規定されている「1978年スペイン憲法」が、1977年時点で90%のカタルーニャ人に承認されていることが、状況をさらに複雑にしている。
クルド自治区とカタルーニャ自治州の似通っている部分はまさにそこだ。同研究センターのもう一人の専門家、デビッド・ヘルナンデス氏の意見によれば、「分離独立は国際社会からの支持を必要としている」ということだ。また彼はこうも語る-
「クルド自治区の住民投票は国際社会からの支持を得られずにいる。そもそも今回の投票は何らかの法的意味を持つものではなかったが、周辺諸国は欧州の大国と同様に無効で承認しない旨を一度ならず表明している」。
同氏は、国際法は民族自決権を、外側からの支持に左右される『政治原則』としている。もし、この原則が『国際的』なものとなれば、「国家が主体である国際関係の全システムが打撃を受けることだろう」と結論付けている。