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米太平洋空軍のオショネシー司令官は、F-35Aの戦闘能力を非常に高く評価し、「F-35Aには現在の、そして新たな脅威に対し、地球規模で精密攻撃を加えられるかつてない能力があり、我々の制空戦闘能力を補完するものとなる」と述べている。
「F-35A」は、米国の最新鋭戦闘機「F-35」シリーズのうち最も広く運用されている派生型で、米空軍と同盟諸国向けに開発された。垂直離着陸能力を備え航空母艦やワスプ級強襲揚陸艦に搭載できる「F-35B」とは異なり、F-35Aは地上の飛行場を必要とする。F-35Aは戦闘機であるだけでなく攻撃機としての性能も備え、精密攻撃が可能な巡航ミサイル「AGM-158 JASSM(ジャアズム)」や精密誘導能力を付加する装置「JDAM(ジェイダム)」が取り付けられた最大重量910キロの自由落下爆弾、その他さまざまな種類のミサイルや爆弾を搭載でき、さらにロシアの機種区分で言えば「襲撃機」としての能力も持ち、タングステンを弾芯に用いた徹甲弾を発射できる軽量発展型の「GAU-12」機関砲を装備し、強硬な装甲を持つ地上の目標を破壊することができる。別の言い方をすれば、このような航空機は制空権を確保するだけでなく、味方の地上軍に十分な空からの支援を提供できるのだ。
つまり、F-35Aの嘉手納基地への移転は、もともと計画されていた軍備と関連要員のローテーション配備--声明ではこの部隊は6カ月の予定で配備するとされている--としてだけではなく、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する軍事作戦に向けた準備の一環ともなり得るのだ。
以上のことから、今回決まったF-35Aの嘉手納基地配備は、通常のローテーション配備でも訓練のためでもなく、まさに軍事作戦への参加を目的としたものであることが十分に考えられるのである。