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今回の急上昇は中国人民銀行(中央銀行)の動きと関係があるかもしれない。中銀は先週、公開市場操作(オペ)の売戻し条件付き債券購入(リバースレポ)をつうじて8100億元(約14兆138億円)を供給した。中国のビジネスマンが仮想通貨市場に得られた資金を投資し、大きな投資がビットコインへの投資熱をさらに高めた可能性がある。
中国は依然として仮想通貨市場の重要なプレーヤーであり続けている。ビットコインの採掘や決済プロセッサ用に用いられる世界の機器85%以上が中国で生産されている。最近までビットコイン取引の95%は人民元建てで行われていたが、中国政府が最近、国内のビットコイン取引所全てを禁止。これを受けて取引所はシンガポールや日本などに進出した。さらに、取引の多くは取引所外で行われ、買い手と売り手が直接取引している。9月初頭には人民元建ての取引所外取引の割合が5%未満だったのに対し、11月初頭に取引所が閉鎖された時には、この割合は格段に大きくなっていた。
中国社科院财经战略研究院の张宁氏は、これとは異なり、ビットコインが本当の価値を有していると見ている。
どんな革新的なものにも、人々はまず心理的拒絶反応を起こす。実際には、広く流通し、社会全体に価値の尺度として認められていれば、あらゆるものが金銭の機能を果たすことができる。ビットコインは今、新たな価値の尺度なのだ。確かにビットコインは総発行量が限られているため、GDPの成長や生産力の増加に比例して成長できない。そのため、ビットコインは何らかの国や全世界における正式な支払手段にはなりえない。だが、貯蓄手段や資産ではありえる。このため、ビットコインは高い価値を有する。
ビットコインは当初、価値を持つ資産と言うよりは、暗号が好きなプログラマーに対する娯楽だと認識されていた。現在、発行上限の2100万ビットコインの80%がすでに採掘され、採掘はどんどん困難になっている。現在は採掘の大部分が、主に中国にあるマイニング用の巨大なデータセンターで行われている。ビットコインの需要はマイニング能力と今のところ安全だと見られているブロックチェーン技術に保証されている。
バブルがビットコインを待つのか、それともビットコインは「未来の金銭」の役割を果たすのかは、時が示す。