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ロシアの未来のリケジョたち、電子顕微鏡で見るミクロの世界に興奮【写真】

© 写真 : Asuka Tokuyama理科学教室
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11月30日、モスクワにあるメンデレーエフ記念ロシア化学技術大学において、少年少女向け理科学教育イベントが開催された。主催は日立ハイテクノロジーズと同社のロシアにおける販売代理店「インターラボ」社。日立ハイテクは社会貢献活動として卓上電子顕微鏡を活用した理科学教育支援を世界各国で行なっており、ロシアでは初めての実施となった。

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イベントに参加した市内の中学生は3チームにわかれ、物体の拡大図を見て、それが何なのかを予想するゲームをしたり、自分の髪の毛を観察したり、顕微鏡につなげたコンピューターを操作してみたりと、初めて見る電子顕微鏡に興味津々だった。

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アナスタシアさん(中2)「小さなものを観察して、どうやって世界が成り立っているのか見るのはとても面白かったです。電子顕微鏡の仕組みがよくわかりました。生物と化学が大好きで、将来はお医者さんになりたいです」

アルチョム君(中1)「写真あてクイズが楽しかったです。数学や英語、幾何学が好きなので、将来の夢はまだわからないけど、理系の大学に進みたいです」

ロシアではソ連時代から医者やエンジニアとして女性が活躍し、今でも「リケジョ」が多いお国柄だ。この日も女の子の参加者が目立った。

© 写真 : Asuka Tokuyamaチーム対抗ゲームで優勝した子どもたち
チーム対抗ゲームで優勝した子どもたち - Sputnik 日本
チーム対抗ゲームで優勝した子どもたち
顕微鏡と言っても種類がいくつかある。読者の皆さんが子ども時代に理科の授業で使っただろう「光学顕微鏡」は、観察対象に光を当てて像を拡大するという仕組みだ。それに対し、電子顕微鏡は光ではなく電子線を当てるため、焦点深度が深く、より微細なものを観察するのに適している。実際、顕微鏡につなげたコンピューターには、細部までくっきりとした画像が映し出されていた。

電子顕微鏡には高性能な電源や、顕微鏡内を真空に保つ機能が不可欠なので、一般的には大がかりな設備が必要だ。しかし今回の出前教室に使われた卓上タイプの電子顕微鏡 「TM3030Plus」は、オフィス机に置けるというコンパクトさから、教育・研究機関だけでなく、工場などにも導入されている。インターラボのイーゴリ・パヴロフスキー社長によると、ロシアの顧客は特に品質・信頼性・利便性を評価しているという。

© 写真 : Asuka Tokuyama卓上電子顕微鏡を操作してみる子どもたち
卓上電子顕微鏡を操作してみる子どもたち - Sputnik 日本
卓上電子顕微鏡を操作してみる子どもたち
日立ハイテクでCSRを推進している濱敦司(はま・あつし)さんは「これまで世界中で5万人以上の子どもたちが理科学教育に参加してくれました。驚いたり、面白がってくれるポイントは日本の生徒さんたちと変わりませんが、質問の内容に日本とは違う視点があって、私もハッと思わされました。世界の子どもたちに科学に興味をもってもらい、この事業が将来の科学者育成の一助になれば嬉しいです」と話している。

会場となったメンデレーエフ大学のアレクサンドル・マジュガ学長も、子どもたちへの理科教育支援に賛同する一人だ。大学名になっているメンデレーエフとは、元素の周期表を考案したロシアの化学者だ。

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マシュガ学長「大学から高校に出前授業にも行きますし、毎週土曜日には学内でオープン講座を開きます。子どもたちが両親と一緒にやってきて、教室に入りきらないほどです。着色料やガラスを作ったりする体験授業もあります。そうやって人気を集め、将来の進学先として考えてもらうというわけです」

メンデレーエフ大学には中高生向けに夜間の化学・数学学校がある。定員は500人で、通常授業が終わった後で大学にやってきて、自分の好きな分野を勉強できる。大学の中に学習塾があるようなイメージだ。学内には、ロシア科学アカデミーと連携した化学カレッジもある。こういった校種の垣根を越えた連携が、基礎研究に強いロシアを支えているのだろう。現在、受験生に一番人気があるのは薬学部だという。

© 写真 : Asuka Tokuyama(左から)亀卦川氏、パヴロフスキー氏、濱氏、マジュガ氏
(左から)亀卦川氏、パヴロフスキー氏、濱氏、マジュガ氏 - Sputnik 日本
(左から)亀卦川氏、パヴロフスキー氏、濱氏、マジュガ氏
日立ハイテクの現地法人「日立ハイテクノロジーズロシア」の亀卦川健(きけがわ・けん)社長は、「せっかく基礎研究があるのですから、それをアカデミック分野のみにとどめるのではなく、ビジネスに応用できる場がもっと必要です。ロシアにも分業を前提にしたビジネスの仕組みができればよいのですが」と指摘している。日本でも産学連携が叫ばれて久しいが、企業と大学のヨコのつながりが薄いロシアでは、なおさら伸びしろがありそうだ。

ロシアにおける第2回目の理科学教育は来春にも開催予定。次回は大幅に規模を拡大して実施される。

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