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26日、モスクワでRIACの報告書「ロシアの外交政策:2018年の見通し」が発表された。同報告書では «国連安全保障理事会の制裁措置が北朝鮮指導部を著しい譲歩へ向かわせることは恐らくないだろう。北朝鮮が自国のミサイル・核計画をやめるための深刻な軍事・政治的障害は存在していない。北朝鮮は恐らく同分野で新たな成果を得ることに成功するだろう」と予測されている。
また報告書では「新たな圧力のきっかけを避けるために、北朝鮮がある時期まで自国の成果をデモンストレーションしない可能性も十分ある。北朝鮮は、世界が反応する他国上空での発射実験の一時的な放棄を自国からの譲歩として提示しようとするが、ミサイル・核計画は続行されるだろう」と指摘されている。
なおRIACは、北朝鮮が最初に韓国、米国、あるいは日本との紛争を開始することは恐らくないだろうとの見方も示している。その理由は、もし北朝鮮が最初に紛争を開始した場合、北朝鮮は「中国の支援を失い」、「中国なしに1国のみで長期的に対立するのは不可能」であることを北朝鮮は理解しているからだという。
またRIACは、ロシアと中国が「米国、韓国、日本の軍事活動の部分的削減と引き換えに実験活動を一時的にでも放棄する」ことを北朝鮮に説得するのは可能だが、「米国とその同盟国が、演習やその他の防衛面の措置に関する計画を大幅に削減することはないだろう」との考えを示している。
全体としてRIACは、可能性はあるものの確率は低い全当事者からの譲歩は象徴的な性格を有するだろうとの見方を表している。報告書では「韓国に米国の中距離MD(ミサイル防衛)システムを配備する計画は、せいぜい遅れるだけで、中止にはならない。日本は独自のMDおよび防空システムの発展を続けるだろう。激しい声明やデモンストレーションの応酬も行われ、それはいつ起こってもおかしくない」と述べられている。
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