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貨物の付属書類には、この貨物は文化財ではなく、その価値は200万ルーブル以下であるという専門家の鑑定結果が記載されていた。国境警備局と税関の職員はこの少額の申告を不審に思い、第三者の専門家に問い合わせた。鑑定の結果、発見された貨物の市場価格は3億ルーブルを超え、文化財であることが判明した。荷送人は逮捕された。マンモスを違法に輸出しようとする試みはこれが初めてではない。
牙が主に発掘される場所は、ロシアでも最も寒い地域にあたるサハ共和国(ヤクーチア)である。ここに世界のマンモスの79%以上が眠っている。毎年、膨大な努力を傾けて地元住民が40トンから60トンを掘り出している。ヤクーチア各地の数十のエリアのほか、別の地方でも合法な採掘が行われている。しかし、違法なハンターもまた、毎年春になるとマンモスの牙の採掘に出かける。彼らは禁止された手法を用いて採掘を行うため、自然を大きく害している。
かつてヤクーチアの地質探査を行っていた地質鉱物学博士のニコライ・キリリン氏によると、地元住民は密猟者に苦しんでいるという。
サハ共和国(ヤクーチア)は埋蔵資源の70%を有しており、学術的にも歴史的にも貴重なこの資料を規制するための法律を採択すべきです。現在は、マンモスの牙をコレクション資料と認定することに成功しています。ヤクーチアは牙の採取のためのライセンスを発行し、申請者が活動できるエリアが固定されます。しかし、問題は、牙のような採取物は課税の対象になっておらず、その動きを追跡することが困難なことです・・・
マンモスの牙は古生物学博物館の展示といった学術目的で使用されるほか、象牙彫刻の材料としても使われている。ロシアの象牙彫刻の歴史は古い。マンモスの牙の彫刻品はいつの時代でも最も洗練されたものと考えられていたし、今でもその価値を失っていない。職人がこの素材を好むのは、マンモスの牙は硬くて大きいため、小さな人形や小物入れだけでなく、複雑な構成の彫刻作品を作ることができるからである。マンモスの牙や骨で作った土産品は、1991年にヤクーツク市に開館したマンモス博物館と並んで、ヤクーチアを代表するブランドとなっている。