私たち皆を待つのはキャッシュレス未来?

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日本政府は消費者が現金決済からキャッシュレス決済に移行するよう力を入れている。専門家委員会はキャッシュレス比率を2025年までに40%、将来的には80%に引き上げる目標を設定するよう提案。統計によると日本人口の約83%がカードを持っているが、うち多くは未だに現金決済派だ。5回に1回の決済のみがキャッシュレスで、欧米や中国に大きく遅れを取っている。つまり、カードによる支払いはほぼ全ての場所で可能なのに関わらず、日本は「現金指向」国であり続けている。高い技術力を持ち、発展した銀行システムを持つ国にとってこれは奇妙ではないか?

スプートニク日本

分析プラットフォーム「FintechLab」のアントン・アルナウトフ局長がスプートニクの質問に答えた。

現金決済は今のところ、利用者の匿名性を確保する唯一の方法だ。オンライン決済を通して最終利用者を割り出すことは可能で、プライバシー保護は現金の重要な機能だ。これは、全決済がキャッシュレスに移行することを妨げている。そしてこれは日本だけではない。キャッシュレス社会の設立で最も進んでおり、ここ数年は現金の流通が40%減ったスウェーデンでさえ、消費者の89%は時おり現金を利用している。カードは97%の人が保有しているにも関わらずだ。さらに日本は伝統に強く固執する。そしてあらゆる国同様、日本にはキャッシュレス決済に慣れることが困難であったり、不信感を抱き続けている人びとのかなり保守的なグループが存在する。これは高齢者や小規模事業者、しばしば移民で、時にはハンディキャップを持つ人びとなどである。だがどうあれ、現金決済の割合が滑らかに、もしくは急激に減少している国の数は増えており、日本がこれを避けることはできない。これはすでに傾向だ。欧米だけでなく、活発に成長するアジア諸国も現金決済の放棄という方向に進んでいる。Forex Bonusesの研究によると、完全なキャッシュレス決済に最初に移行する可能性があるのはスカンジナビア諸国、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、中国、インド、日本そしてロシアである。

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スプートニク:キャッシュレス決済の主な利点は?

アルナウトフ氏:「現金の流通停止により強盗件数の減少や金融犯罪の効果的な対策、紙幣や硬貨の製造・維持費を節約することができる。電子決済の処理でコストが大きく下がる。消費者には利便性と決済速度、システムの改良に応じた安全性という観点から有益だ。社会全体にとっては、より効果的な税金の徴収、闇経済対策そしてGDP(国内総生産)の成長率の増加という観点からさえ有益だ。キャッシュレス決済の主な推進力の1つとなっているのは、急速に成長する新しい技術だ。商品やサービスをカードだけでなく携帯やスマートウォッチ、その他ガジェットでも支払えるようにするNFCチップの登場により、より多くの人びとがこうした決済方法に移行する。時とともにレジでの指紋、瞳の虹彩や顔のスキャンだけで十分になる。生体データを基にした支払い技術はちょうど今、日本においても活発にテストされているところだ。

キャッシュレス決済市場の展望は何よりも、ユーザーの個人情報保護と安全で信頼できる個人の認識の可能性に関係している。しかし個人情報を扱う統一されたアプローチは国家レベルでも世界レベルでもまだ完成していない。

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