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「北朝鮮による生物化学兵器含む全ての大量破壊兵器、あらゆる射程の弾道ミサイルの完全な検証可能な、かつ不可逆的方法での廃棄を実現するため、日米が国際社会と連携して取り組むことで一致。」
マティス氏もこうした立場を強調し、「検証可能かつ不可逆的形で北朝鮮の大量破壊兵器と弾道ミサイルの完全な廃棄を断固として求める」と述べた。
だが予見可能な将来において、潜在的な北朝鮮危機の情勢が続くと考える根拠がある。
北朝鮮は米国と対等な対話を望む。だがこれは世界のどの国もまだ成功したことがない。米国の外交政策は全て、米国例外主義の原則の上に立っている。2013年プーチン大統領がニューヨーク・タイムズに寄稿し、すべての民族が原則的に平等であると想像するよう提案したとき、この記事はニュージャージー州で起きた超大型ハリケーンやアンジェリーナ・ジョリーの乳房切除手術に関する記事とならび、同年最も議論された記事の3指に入った。当時のオバマ米大統領は国連総会でプーチン氏に答え、「同意しない人もいるだろうが、私は米国が例外であると信じる」と述べた。こうしたアプローチは、北朝鮮が降伏とは異なる取引を手に入れることを示唆しないだろう。そうした取引が北朝鮮には必要だろうか?
一方で北朝鮮の主な課題は今、米国との対話を開始して制裁を緩ませつつ、非核化プロセスを出来る限り引き伸ばすことにあることは明らかだ。だが、プロセスは引き伸ばさずとも長期に渡る。最低限の措置の合意でさえ、1年ではすまないかもしれない。
米朝間のアプローチの違いは、次の問題を生む。北朝鮮の忍耐力はどれほどか?
非核化と北朝鮮の核・ミサイル兵器廃棄に関する仮定的な合意は、北朝鮮に対する保証を含む必要がある。だが米国に関して言うと、保証は原則に含まれていない。
欧州、そして日本でも、一方が攻撃された場合に参戦する根拠である安全保障条約第5条を米国が遵守するかには大きな懸念がある。大きく見ても、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)や北米自由貿易協定、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの脱退はすでに非難されている。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はこれをすべて知っており、いつでも対話を止める可能性がある。そのため、マティス国防長官が日本で述べたような北朝鮮の完全な武装解除の要求は全て現在の形の交渉において、希望に過ぎない。
なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。