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8月27日、中国で最大手の全国タクシーオンラインサービス「滴滴(ディディ)」は、乗客の女性が殺害されたことに関連し、ライドシェアサービス「順風車」を全国で一時停止すると発表した。殺人事件は8月24日、浙江省の楽清市で発生。20歳の女性が「順風車」サービスを利用し、昼の2時頃、自分の所在地に関するデータを友人に送り、運転手が車を人のいない山道に向けたと伝えた。さらに5分後、女性から「助けて」とのメッセージが着信、その後連絡が途絶えた。警察は運転手の拘束に成功、運転手は強姦と殺人を行ったことを認めた。
英国では警察が、タクシーのオンラインサービス「ウーバー」に対し、乗客に対する運転手による襲撃を隠蔽していたのではないかとの嫌疑をかけている。問題となっているのは、運転手が乗客を襲撃した2つの事件と、力の行使を伴う6つのセクハラ事件。警察による見解では、ウーバー社は警察に対し、「会社にもたらす評判上の損害が最も小さな」事件についてのみ報告していると、サンデー・タイムズ紙は伝えている。
ロシアでも、この夏、世間を騒がせるタクシー内での事件が数件発生し、被害者らによって公表された。例えば、モスクワに住む女性が今年6月、ウーバーのタクシー運転手が強姦を試みたとして告訴。これより前の春には、ウーバーの運転手が乗客を刃物で脅迫した事件が世論の注意を引いた。ウーバーは遺憾の意と、警察と協力していく用意を表明した。
タクシーに関連する不愉快な事態を回避するためには、それぞれの会社に対する信頼度、そして個別の運転手に対する信頼度さえも評価するランキングも役立っている。しかし、全ての予防措置と各社による約束にもかかわらず、人々はそれぞれのサービスに対してますます警戒するようになった。もしかしたら、このようなリスクを回避するには、既に全力でテストが行われている自動運転タクシーが役に立つのだろうか?
ロシア企業「ヤンデックス・タクシー」で自動運転車分野を担当するドミトリー・ポリシチュク氏の見解によれば、人が関わった交通事故が起きることに、人々はみな既に慣れているという。一方で、自動運転車が関わった、歩行者にとって致命的な史上初の事故は、各メディアでトップニュースとなった。「現在、ほとんど全ての大手自動車メーカーが、自動運転の輸送手段に取り組んでいるが、これらのメーカーは情報公開に非常に後ろ向きで、メーカーが達成した成果の評価を行うことは難しい。それでもやはり私は、現時点では自動運転車技術の完全に全てが『生煮え』の状態だと考えている。そして、運転手よりも悪くない走行を車が行えるとの確信が開発者たちの間で生まれないうちは、その車は普通の交通と人々を伴う道路に出されることはないだろう」。
技術的問題のほかに持ち上がりつつあるのは、倫理的問題だ。つまり、複雑で論争を呼ぶような状況において、人工知能は如何に振る舞わなければならないのか、そして、事故が起きた場合には、誰が責任を負わなければならないのか、という問題だ。