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注目に値するのは、これが日本の外相によるアルメニアとジョージアへの初めての訪問であり、アゼルバイジャンについては、1999年に当時の高村正彦外相が訪れて以来2回目の訪問だったということだ。ジョージアの首都トビリシで発言した河野外相は、カフカス地域がアジアと欧州、そして中東をつなぐ門であるため、南カフカスの発展は日本の利益に含まれると述べた。カフカス地方との協力を促進するという使命を帯びているのは、河野外相によって予告された「コーカサス・イニシアティブ」計画。人的資源の発展における日本の協力と、同地方が持つ投資上の魅力を高めることを目的とした経済支援を予定している。そのほか、南カフカスの3共和国全てに対し、日本に入国するための査証(ビザ)要件の緩和が約束された。
ジョージア
アルメニア
日本の外相による訪問は、アルメニアでも高く評価された。同国のゾーラブ・ムナツァカニャン外相は、「我々2国間の議題は26年間で、かなり充実したものになった」と指摘し、「この期間にはアルメニアに対し、特恵的融資として約3億ドル、補助金として約7900万ドルが提供された」と述べた。2018年2月には、投資の自由化や奨励、相互保護に関する合意にアルメニアと日本が署名した、ということを指摘しておこう。
アゼルバイジャン
富士山からカフカス山脈までの長大な距離にもかかわらず、少なからぬ相互利益が日本を南カフカスの国々と結びつけていると、ロシア国立人文大学・外国地域研究講座のセルゲイ・マルケドノフ教授はスプートニクに対し述べ、次のように話している。「日本とカフカス諸国には、共通の民族的、あるいは宗教的ルーツはない。これらの国々は、共通の歴史的な筋立てによって結びつけられているのではない。それでもやはり、この地域は日本政府にとって一定の利益をもたらしており、その利益は経済的・地政学的なものだけではない。日本では、カフカス研究がかなり高い水準に達している。日本の学者たちは、欧州や米国の学者と比べて、カフカスで生じている各プロセスに対し、より離れた立場から見ることができる。日本のカフカス研究者たちは、定期的にこの地域に滞在し、同僚や政治家、社会活動家たちと会っている」。
マルケドノフ教授は、「もちろん、カフカスに対する日本の関心は、米国や中国、ロシア、『朝鮮半島問題』、アジア太平洋地域の問題全体、そして中央アジアに日本が払う注意にすら匹敵するものではない。しかし、日本政府は、自らの対外貿易活動の多角化のための小さなチャンスでさえ、また、何らかの地球規模のプロセスにおける、たとえそれが世界のどの地域でも、積極的プレーヤーとなる機会を蔑ろにすることはない。そのほか、南カフカスにおける日本政府の活動は、欧州向けの自国製品のために代替ルートを日本側が探し出そうとしていることによっても説明できる」とまとめている。