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ロシアで説明会を行なっているといっても、ロシア人を重点的に採用しているということではない。外国人旅行者の急増にともない、全世界から積極的に社員を募集するというのが大和リゾートの方針だ。同社ではすでに100名を超える外国人が働いており、キャリアアップにあたって国籍は関係なく、将来はホテル支配人などに昇格もあり得る。重要なのは失敗を恐れず仕事にチャレンジする心、そして「やる気と情熱」だ。
説明会では、アブレアさん以外にもロシアから入社した先輩社員の活躍ぶりがビデオで紹介された。ロシア人社員は7名とまだ多くはないが、いずれも評判の良い人ばかりだ。ロシアからの仲間が増えてほしいか?との筆者の問いに、アブレアさんは首を横に振り「ロシア人だから、何人だから、というのは全く関係ありません。明るくて、やる気と情熱のある方と一緒に働きたい」と答えてくれた。
大和リゾートの主だったホテルは自然の豊かな場所にあるので、休日には海水浴やスキー、登山などのレジャーを楽しんだり、歴史や食をテーマに小旅行するなど、プライベートも充実させることができる。自然に親しむことが好きなロシア人にとっては、田舎暮らしも苦にならない。
日本の文化が大好きで、日本語学校に通っているという30代の女性は「子どものころから文化や歴史、日本食が大好きです。もし日本に行けたら、もっと日本語をレベルアップさせたいです」と話してくれた。
もともと理系だったが、日本語がやりたくて、日本語が学べる他の大学に入りなおしたという20代の男性は「人と接するのが好きなので、ホテル業界を志望しました。ネットがありますから、両親や友人と離れることにも全く不安はありません。できれば海の近くのホテルで働きたいです」と目を輝かせていた。
大和リゾートを含む、日本企業によるロシア人の採用を手助けしているベリタス・コンサルティングの坂尾晃司社長は言う。
近い将来、ホテル業だけでなく、日本の様々な分野でロシア人の活躍の可能性が広がりそうだ。