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彼によれば、トランプ大統領のアメリカは、既存の世界秩序を維持するための軍事的、経済的、政治的関与を拒む傾向があるという。しかし、世界秩序を維持する必要性は依然としてあり、「日本が、少なくともインド太平洋地域においては、その主要な役割を果たす可能性がある」という。なぜなら、日本はそのための経済的、外交的、技術的、イデオロギー的な能力を備えており、憲法の制限があるとはいえ、軍事的な能力をも備えているからである。
ホーナング氏によると、もちろん、東南アジアの安全保障においてASEANは主要な役割を担っているが、この連合がアジア太平洋地域全体の国際秩序を管理することができるとは考えられないという。彼によると、インドはまだ地域リーダーの役割が担えるほどには成熟しておらず、韓国は朝鮮半島の情勢にあまりにも飲み込まれすぎている。経済規模から言えば、中国が地域リーダーに立候補することは可能だが、人権侵害、国際法違反、独自の地域構造を構築しようとする試みは、中国を自由秩序に対する大きな脅威に変えている。つまり、残るは日本だけなのである。アメリカのTPP撤退後、自由と法の支配と地域市場経済の保護に対する責任の大部分を負い、自由貿易を維持するための積極的な支持者となったのが他でもない日本なのである。また、日本は武力行使に関する憲法上の制限を撤廃することなく、国際秩序が直面する脅威を排除するために部隊を使用することもできる。このように著者は結論づけている。
スプートニク:世界のどこかの地域に世界秩序を維持するだけでも、強力な軍隊を支えにし、他のプレーヤーと協力することが必要です。この意味で、日本のチャンスはどうでしょうか?
クリスティーナ・ヴォダ氏は次のようにまとめた。日本の地域各国での評判はまちまちであり、日本がアジアの重要な政治プロセスに影響力を持つチャンスはそれほど大きくないため、日本は、現段階では、経済と政治の両面で価値観を共有する国々、すなわちオーストラリア、インド、他のASEAN諸国との軍事政治協力を活性化させている。
もしかすると、これは、インド太平洋地域の既存秩序の維持と強化においてリーダーシップを取るための、日本の戦術的なステップなのかもしれない。