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2年でトランプ氏は最も予測不可能な大統領という評判を得た。議会と合意する能力や自らの与党・共和党との相互理解の欠如、メディアとのあからさまな戦争状態は大統領官邸の回廊に予測不可能で張り詰めた空気を作り出した。トランプ氏は閣僚の半数以上を解任し、イラン核合意を離脱し、北米自由貿易協定(NAFTA)を見直し、気候変動対策のパリ協定から離脱を表明し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からも離脱した。こうした動きを受け、同盟国でさえ米国への信頼感に陰りが見える。
5段階評価で5.5
トランプ氏自身は昨年11月、FOXニュースのインタビューで自らの仕事ぶりを5段階評価で5.5だと自賛した。米国経済の状況は今までにないほど良好だと述べた。発言は部分的には正しい。これを証明するように、連邦準備制度のジェローム・パウエル会長も、昨年は2008年の金融危機以来、米経済にとって最高の年だったと述べた。「経済成長率は見通しより格段に高い。失業率は低下しており、インフレ率は2%に上がり、成長のみ通りは肯定的だ」。とはいえ、政府閉鎖のひと月はCNBCテレビの算出によると、米国経済に50億ドルの損害をもたらした。
分断
戦争と平和
トランプ政権の外政で最も広く知られる出来事は、米国が中国に宣言した貿易戦争だ。今年も状況が悪い方向に発展すれば、エコノミストは世界経済に影響する長引く経済紛争が起こりかねないと見る。
世界の覇権
別個のテーマに対露関係がある。トランプ氏は複数回、対露関係の改善を望むと発言している。だが当時のレーガン元大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が中距離核戦力(INF)全廃条約に署名し、冷戦に終止符をもたらしてから30年後、トランプ氏は条約からの離脱の意思を表明した。これはただでさえ複雑な露米関係を悪化させた。
「米国は必死に世界のリーダーシップを保とうとしている。これが露中との対立の根本にある」とロシア外政・防衛政策評議会研究プログラムのドミトリー・ススロフ副所長は述べた。「短期間で露米関係の正常化はまず望めないだろう。その上、機会の窓は極めて制限されている。今年からすでに米国では選挙キャンペーンが勢いを増し始め、トランプ氏には国際問題に対処する時間がなくなるからだ」