日本のシルバー世代の運転手たち 事故予防の鍵は「自制」

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日本の警察庁の発表によれば、2018年、高齢者による運転免許証の任意返還が記録的な数字となった。1998年に運転免許証の返還キャンペーンが開始された理由は、75歳以上の運転手による死亡事故数の統計が増加したことにある。

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警察発表によると、 日本では2018年に75歳以上の高齢者の運転が原因で460人 が死亡した。 この年齢層の460人の運転手のうち414人で検査を行ったとこ ろ、約半数に認知障害があることが判明した。 20人が痴呆症の疑いがあり、 さらに184人で知的能力の弱化が認められた。とはいえポジティ ブな側面は、2018年には自身の運転免許証の返還を、 29万2千人超の高齢者ドライバーが任意で行ったという点だ。こ れははキャンペーン開始以来の記録的な数値となった。

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65歳から75歳の人々は、もっとも厳格に交通ルールを遵守して おり、新人ドライバーやスピード狂などに比べ、重大事故の原因と なることは稀でしかない。しかし、 運転手に原因がある交通事故では、 高齢者が運転中に急に気分が悪くなったことで事故を起こすという ことがあり、犠牲者がいなければ不幸中の幸いといえる。 この間でいえば、 今年1月に英国のエリザベス2世王妃の夫のフィリップ殿下(97 )が起こした事故が大きな話題を呼んだ。

多くの国では、自動車運転が可能な年齢の最年少枠は設定されてい るが、しかし、最高年枠は規定されていない。 英国には運転可能な「最高年齢の制限」はない。しかし、 70歳以上の人は3年ごとに視力証明書の提供が求められ、 運転免許の更新が必要となる。米国では、退職者団体の「AAPR 」により、この年齢の自動車愛好家のために「ドライバー・ リフレッシャー・コース」が創設された。ロシアの法律も同様に運 転年齢に制限を設けてはいない。

年齢制限の役割は医学証明書が担っており、 免許の書き換えの際に10年に一度、医師の診断を必要とする。し かし、高齢者による事故が起こるたびに、社会では、「 シルバー世代」に規定される運転者に対し、 何らかの制限を検討する必要性が取りあげられている。  

ロシア連邦医療生物学センターの老齢医学、 老化防止医学および治療学科長のアンドレイ・ イルニツキー教授は、日本はこうした「シルバー世代」 の運転者による事故を予防する鍵を「自制」に見出したと考えてい る。

「高齢者の運転制限の問題は、現在世界で広く議論されている。 そしてほとんどすべての研究者は、もし健康で、 長い運転経験を持っていれば、その人は普通に、 そして安全に車を運転できるという点で合意している。

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しかし、別の問題もある。高齢者は様々な認知障害を抱えている可 能性があり、それには記憶力の低下、集中力の低下、 さらに不測の事態への対応の鈍化が伴う。その際、 認知障害はひそかに進行する。 認知障害はあらゆるストレスの状況下で突然発症する。 そのため高齢期の自動車運転は、身体的な健康状態での判断だけで なく、認知機能障害も考慮して決定されるべき問題だ。 

私は、運転手が70歳を超えたならば、運転を専門職とする人はい うまでもなく、 認知障害の有無について年次検査を受ける必要があると考えている 。そして、もしも何らかの障害の兆候があるならば、安全のため、 自分自身のため、そして他の人々のために、自制に踏み出すほうが いい。」

アンドレイ・イルニツキー教授は、 高齢を理由に人々に自動車運転の禁止を規定するのは差別的だとい う見解を持っている。高齢者には、 定期的な予防検診と特別なトレーニング、注意力のテストが必要で あり、同時に、ベテラン運転手たちの助けになる特別な標識や装置 といった自動車の設備が要される。

多くの先進国では高齢化と労働力不足が生じており、 定年退職の年齢の変更が行われている。無人運転自動車はまだ主流 にはなっていない一方で、高齢ドライバー人口はプロと愛好家の両 方とも大幅に増えているのが現状だ。

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