スプートニク日本
だが現在はまだ日本の労働者のみが廃炉作業に携わっており、福島第一原発3号機から燃料の搬出作業が先にはじまった。スプートニクはロシア放射線防護学術委員会のワレリー・ステパネンコ博士(核物理学)に見解を伺った。
「まず、燃料棒が損傷していないことを確認する必要がある。だが無傷でも、取り出しと他ブロックへの移送作業は迅速に行う必要がある。大気中、冷却されない燃料棒は加熱をはじめ、自ら熱を発する反応により、崩壊する可能性もあるからだ。だが日本にいる同僚は素晴らしいプロフェッショナルで、私は彼らがこの課題をやり遂げると確信している」
燃料の移送後も原発付近の土壌と地下水の汚染は残り続ける可能性がある。そのため、日本は長期的な除染作業に向けた設備の準備に焦点を当てる
日本政府は先に、ロシア国営原子力企業「ロスアトム」傘下の「ロスラオ」と「ラジウム研究所」を、放射能汚染水の除染プロジェクトにおけるパートナーとして選んだ。
プロジェクトに参加するロシア人研究者のセルゲイ・フロリャ氏がスプートニクに、膨大な量の液状の放射性廃棄物が1箇所に蓄積する状況は世界で初めてだと指摘。
「福島で使われている技術は廃棄物からセシウムとストロンチウムを取り除くことができるが、トリチウムは取り除かない。私たちはトリチウムから水を浄化できるロシアの技術を日本側に提案した。私たちは特別な展示用設備の実験用の標本でテストした。この技術が承認されれば、技術を取り込んだ工場を建設する必要がある。私たちのテクノロジーの技術と経済に関する報告書と根拠は日本に送られている。だがまだ結論は出ていない」
汚染水はいま、原発の敷地内のタンクに保管している。タンクには110万トンの汚染水がたまっている。ジャパン・タイムズはこの状況を詳細にレビュー。東電は27万トンのタンクを新たに用意する方針だという。
「トリチウムは水素に類似している。トリチウムが水生環境に入り、その後人体に入ると危険と見なされている」
放射能汚染水の浄化は各国が協力して解決されるかもしれない。「ロスラオ」とラジウム研究所とともに、米キュリオン社や、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と日立の合弁事業「GE Hitachi Nuclear Energy Canada」がプロジェクトに取り組んでいる。
東電は現在、労力がかかる危険な燃料の取り出し作業に集中している。作業は放射性物質の放出リスクがあるが、原発の状況安定化には不可欠だ。
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