湯山さんがロシアを訪問するのは4度目。湯山さんはロシアの印象について「街中の建築がユニーク。かわいい雑貨やお菓子がたくさんあり、食べ物も美味しい」と話す。
26日、現代美術館「ガレージ」の野外ステージでは、湯山さんと美食ジャーナリストのゲンナジー・ヨゼファヴィチュスさんとのトークイベントが行なわれた。湯山さんは、日本の高級寿司店には、なぜ一昔前まで男性しかいなかったのか、寿司の歴史や時代背景などをユーモアを交えながら話した。ヨゼファヴィチュスさんは、最初は戸惑った「おまかせ」のシステム、「一見さん」の予約の困難さ、職人のこだわりなど、寿司こそは理想を追求する日本文化のあり方を体現するものだと話した。
会場に集まった人たちからは「客を断る店があるとは信じられない」「同じ魚でも日によって、産地が違うものを仕入れているとは知らなかった」「寿司米の最適な配合を決めて、その原則を崩さないのは、すごく日本的だと感じた」などの感想が聞かれた。トークイベントの後にはドキュメンタリー映画「二郎は鮨の夢を見る」が上映され、鑑賞した男性は「今すぐ日本の寿司屋に行きたくてたまらない」と話した。
© 写真 : Eat Film Festival着物姿で寿司をふるまう湯山さん
着物姿で寿司をふるまう湯山さん
© 写真 : Eat Film Festival
湯山さんは、流行に敏感な若者が集まるモスクワ有数のおしゃれスポット「中央市場」で、着物で寿司を握るパフォーマンス「美人寿司」を披露した。入場チケットは早々に完売。ロシアで流行している「ロール」ではなく、本物の寿司を目当てに集まった参加者らは、夕焼けが美しい市場の屋上で、にぎり寿司や箱寿司などを楽しんだ。兵庫の銘酒「明石鯛」と、明石鯛を使ったカクテルも好評だった。
© 写真 : Eat Film Festivalお酒を片手に寿司を味わう参加者たち
お酒を片手に寿司を味わう参加者たち
© 写真 : Eat Film Festival
いっぽう、日本食の新たなトレンドとして注目されているのがラーメンだ。2017年9月に開店して以降、モスクワで人気を集めているラーメン居酒屋「クウ」の協力により、中央市場でラーメンバトルが開催された。醤油ラーメンと、最近モスクワで増えてきたベジタリアンのために野菜ラーメンがふるまわれ、参加者たちは食べ比べを楽しんだ。バトル終了後には千葉県松戸のラーメン屋「中華蕎麦とみ田」を舞台にしたドキュメンタリー映画「ラーメンヘッズ」の鑑賞会が行なわれた。
© 写真 : Eat Film Festival屋上でラーメンを調理
屋上でラーメンを調理
© 写真 : Eat Film Festival
すっかりモスクワっ子の日常食になった「寿司」と、新たな定番メニュー入りを狙う「ラーメン」。日本の食文化は、ロシア人にとってどんどん身近になっている。
© 写真 : Eat Film Festivalラーメンバトル
ラーメンバトル
© 写真 : Eat Film Festival