WADAの決定を受けてロシア連邦スポーツ省のパーヴェル・コロブコフ相は記者会見を開き、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)管轄のモスクワ研究所は一切データを改ざんしていないと断言した。コロブコフ・スポーツ相は元フェンシング選手で五輪金メダリスト、さらに国際大会で6度も優勝した輝かしい経歴を持つ。コロブコフ・スポーツ相は改ざんを否定したうえで、WADAサイドのデータに問題があるのではないか、との考えを示した。スプートニク通信が事態のエスカレートは阻止できなかったのか、と質問したところ、「状況打開のために手は尽くした。WADAが新たな決定を下すたびに書類を用意してきた。我々としてやれることは全てやった」との回答を得た。
フィギュアスケート連盟のアレクサンドル・ゴルシコフ会長
WADAの決定は露骨に差別的なものだ。我々はロシアの選手を守っていく。この不当な動きに対抗しなくてはならない。そして何よりもまず「クリーン」な選手の利益を守る。その手始めに、スポーツ仲裁裁判所に提訴し、必要であればその他の調停裁判所にも異議申し立てを行う。
カーリング連盟のドミトリー・スヴィシチェフ会長
何よりもまず、この決定を提訴する必要がある。また、国際大会を主催するロシア関係者が被る損害額をすべて算出し、欧州の裁判所で請求する。WADAがこれほど厳しい決定を下したことは一度もない。「クリーン」な選手は絶対に大会への参加が認められるべきだ。こうした選手を守るべく、我々は戦う。ロシア代表抜きの国際大会はありえない。
バドミントン連盟のアレクサンドル・バグダチエフ報道官
ロシア柔道連盟のマリヤ・チホヌラボワ広報部長
本当にひどいニュースです。ロシアのスポーツに対する大きな痛手です。当連盟は国際大会に積極的に参加してきましたし、そのことが選手たちにやる気と情熱を与えてきたわけです。そして、当連盟にも誇るべき点があります。連盟発足から45年の間に16人の五輪メダリストを私たちは輩出してきました。さらに、50人以上が世界大会で表彰台に上り、ヨーロッパ大会では170人以上がメダルを獲得しました。ロシアの柔道選手は厳しいドーピング検査を受けていますから、その心配はしていません。我々は状況を確認すると同時に、スポーツ省の判断を踏まえて今後の対応を考えたいと思います。
WADAの制裁は公布から21日後に効力を発する。ロシアが提訴した場合、ローザンヌのスポーツ仲裁裁判所(CAS)による判決を受けてから21日後に効力を発する。ロシアは提訴するのか、まさにこの問題が12月19日のRUSADA監査役会で審議される。