カルン報道官は記者会見でプーチン大統領とエルドアン大統領の首脳会談内容について明らかにした。
カルン報道官によれば、「ロシアとトルコの連携は多岐にわたることから、シリア情勢でも首尾よく合意できる」と期待感をあらわにした。トルコ側はシリア国内における「停戦状態の維持」を目的としており、そのために必要なプロセスについてモスクワでプーチン大統領と協議を行う見通し。
カルン報道官は会見の中で、武力ではなく政治的交渉によって解決を目指すと発言した。
一方、ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は先にプーチン大統領とエルドアン大統領の首脳会談についてコメントした中で、ロシアは「シリアの領土保全を支持し、国連安保理のリストに挙げられた者をはじめとするテロリスト、テロ組織との闘いを続けるシリアの意向を支持していく」と発言していた。
状況悪化のイドリブ県
シリア北西部のイドリブ県では2月27日、テロ組織「タハリール・アル=シャーム」がシリア政府軍の陣地に対して全面的な攻撃を開始した後、状況が悪化した。シリア政府軍は報復のため、空爆を開始。ロシア国防省の発表によれば、本来、その場にいるはずがないトルコ人兵士も銃撃戦に加わっていた。
この結果、トルコ軍の兵士34人が死亡。30人以上が負傷した。トルコ軍兵士に死傷者が出たとの情報を受け、ロシア側はシリア軍による戦闘を完全に停止するため、措置をとった。
セルゲイ・ラブロフ露外相は、シリア・イドリブ県をめぐる問題解決にむけてトルコは主要な約束を履行することができなかったと語った。特に、政府と対話の用意がある武装勢力とテロ組織を切り離すことができなかった、とした。一方トルコのオクタイ副大統領は、トルコはイドリブ県に関する自国の約束は果たしたと語った。