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新型コロナウイルス
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新型コロナが教育システムを変え、「情報格差」を増加させる

CC BY-SA 4.0 / / Yasuda Auditorium - Tokyo University 3Токийский университет в Японии
Токийский университет в Японии - Sputnik 日本
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新型コロナウイルス感染は、教育プロセスに影響を及ぼした。有名大学の多くは、パンデミックが収束しても学生への遠隔教育を継続する予定だ。まず英国ケンブリッジ大学が2021年夏までオンライン制度へ移行すること表明し、マンチェスター大学がそれに続いた。他にも世界の多くの高等教育機関が同様の決定を選択している。一方、遠隔授業に関しては、専門家の中でも、教員や学生らの間でも賛否両論分かれている。スプートニク通信は、オンライン教育のプラス面とマイナス面について検討を試みた。

オンライン制度に移行する大学

ケンブリッジ大学の出した通知はこうだ。「パンデミックを受けて、新年度の全期を通じて学生が出席する授業が中止となる。これらの授業はすべてオンライン体制でのみアクセスできる。一定の社会的距離の遵守が求められるもとで、唯一例外となるのは、出席者数を限定する授業だけとなる」。どの授業が対象か、授業には何人まで出席できるのかについて、大学側は近日中にケンブリッジの全在籍生通知することを約束している。

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米国では、今後の教育問題に関して今のところ決定を下していない。しかし、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校は、前もって教育プログラムの一部をオンライン体制に移行させていた。

サイト「東洋経済」によれば、日本ではほとんどすべての大学が遠隔での教育体制に移行した。授業形態は、たとえば「Zoom」や「Google Meet」をベースに、リアルタイムでのウェブセミナーとして行われるものや、あるいは自分の都合のいい時間に視聴できるビデオファイルの形態として、規定の授業を学生らに配信するといったものがある。

(オンライン講義は大きくいって3つに大別できる。①ウェブ会議システムを使った「リアルタイム型」、②授業を動画で作成し、蓄積したファイルを学生が都合のよいときに見る「オンデマンド型」、③動画は使わずに登録した資料を学生が読み、レポートなどを提出する「資料配布型」だ。リアルタイム型の講義では「Zoom」や「Google Meet」がよく使われている)。

実際のところは教員らは、学生たちの設備環境がどれだけ整っていて、自宅でインターネットにアクセスできているのかを憂慮している。

ロシアでは自己隔離の2ヶ月間、小中学校、高校、大学は遠隔で授業を行った。オンライン授業の継続に関しては、公的機関はまだ明らかにしていないが、いくつかの授業がオンライン体制に移行する可能性は消えてはいない。小中学校などでの新学期用に、すでに一連の勧告が発表されている。たとえば、1クラスあたり15人未満であることや1クラスの全授業は同じ教室で行うこと、授業の開始と各クラスの休憩時間をずらすこと、すべての大規模な行事や学童保育の受け入れは禁止される。大学に関しては、国立研究大学高等経済学院ヤロスラフ・クズミノフ学長は、新型コロナウイルスのパンデミックは教育へのアプローチを変えるとし、古い授業スタイルが便利なモバイルオンラインクラスに置き換えられると確信を表している。

オンライン体制 学びはより簡単に、教える方はますます困難

ロシアの私立シナジー大学が5月12日から18日にかけて実施したアンケートでは、オンライン体制では学ぶのは今までより簡単だが、教えるのはずっと困難だという結果が示された。オンライン授業に対しては、生徒では58%、教員では42%が肯定的だった。回答を寄せた学生の多くは遠隔授業への移行に問題を感じていないが、教員たちは授業を行うのが難しくなったと打ち明けている。オンライン授業の何が不満かとの質問には、「いろいろな理由から自宅では集中が困難」「臨場感がない」など、さまざまな回答が寄せられた。

オンライン活用と通学の混在は教育の必然

ロシアのオンライン大学「ネトロギヤ」MBAデジタル学部のユリア・クニャジャンスカヤ学部長は、すでにこうした取り組みを実践しているところもあり、また、近い将来、教育現場ではオンラインとオフラインが混在化することになるとして、次のように述べている。

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「教室での対面授業が無くなるのでは、と心配する必要はありません。オンラインは対面の講義で可能なあらゆるツールを全て置き換えるにはいたっていないからです。それはモチベーションと実際にその場にいるのだという実感をさします。さらに、ユーザー自身の多くがまだフォーマットを根底から変える心の準備ができていません。自宅学習とは、つまり、学習過程での理解の形成を放棄することであり、また、多くの人たちはまだこれを行うのはとても困難と言えます。

だいたい、学生たちには考えを整理したり、アドバイスを与える指導者が必要なのです。教室に教師がいるということは、Zoomの画面に教師の映像があることより、学習意欲を高めるのは明らかです。教育プロジェクトの多くはオフライン体制に戻ると思います。それなしでは小中高校の教育に値しないのはまったく明らかです。しかし、現状からオンライン教育の可能性を追求した人たちは、間違いなくその利便性を評価したはずです。例えば、宿題の確認は遠隔で行う方がより簡単です。こんな風にオンライン教育の原理は対面授業で導入されていき、また、教授法もいっそう擬人化されていくでしょう。オンライン教育とこれまでのような対面形式の統一は、この数年のうちに混在したフォーマットとして学習で実践され、より普遍化されるでしょう」。

オンライン教育の長所と短所を比べたなら、好きな時間に好きなテンポで学ぶことができるという積極面がある。ビデオ講座ならいつでも繰り返し視聴でき、一番難しい問題を注意深く学ぶことができる。このことを外出することなく、また世界のどこにいても行うことができる。毎日通学する必要はなくなり、健康面でハンデを持つ人たちにとっては間違いなくプラスとなる。必要なすべての教科書や参考書は利用できる。従来の授業では、教師はすべての生徒に注意を払うことは難しいが、オンライン体制では個人ごとのアプローチが可能になる。

マイナス面としては、実際にはすべての学習資材を学生は自分でマスターすることになり、そのことで自己責任と自己管理が求められる。それにより、遠隔教育の場合、学生たち互いに、また教師と取れる個人的なコミュニケーションは最低限となるか、またはまったくできなくなる。そのような教育のスタイルは、コミュニケーションスキルとチームワークスキルの発展にとって妨げとなる。そのほかにも実践の授業を前提とする科目は学習は難しい。

遠隔授業で情報格差はさらに開く

そしてさらに無視できない重要な問題がある。決して、すべての子どもと学生が遠隔授業に必要なガジェットを持ち、インターネットにアクセスできるわけではないという実態だ。この問題は「情報格差」と呼ばれる。たとえば、フランス教員組合のパスカル・ビビエ委員長がこの点について紹介している。

同委員長によれば、中流階級と裕福な家庭、そして貧しい家庭の子どもの間には依然として格差が存在する。現在、この格差に新型コロナウイルスがデジタル問題を加えた。良い教育は安定した未来への確実なパスポートと考えられている。情報格差の下にある多くの青少年にはどんなにがんばったところで、人生で価値ある場所を見出すという展望は完全に現実味を失いつつある。これは富めるものと貧しきものの間の社会的格差が大きい国に限ったことではなく、実際にはどこの国にも起きつつあることだ。

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