ロシアは1週間前に、国防省とガマレヤ国立疫学微生物研究センターが開発に成功したCOVID-19ワクチンを世界に先駆けて登録した。 さらにもうひとつの薬剤が現在、学術研究所医療生物学局で試験中だ。一連の諸国がワクチンの購入に関心を示しており、そのひとり、メキシコ大統領も有効性が証明されるのであれば、まず自分が接種すると宣言している。どの程度の規模でワクチン生産が行われるのか、コロナウイルスに感染した人は接種することができるのかなどについて、ガマレヤ国立疫学微生物研究センターのログノフ副所長はスプートニク通信からの独占取材に答えた。
ログノフ副所長:「実践では我々はまず先にロシア保健省の専門家らに結果を提出します。目的は安全で有効性の高いワクチンを最速で開発することにあったわけで、これは成功しました。データを英訳し、学術論文を書くのはその後です。データ公表の決定は保健省の検討が済んだ後にとられ、これにより先入観を排除した専門家の鑑定に付されます。ですからワクチンを登録した後、近日中にも英語による学術論文が権威ある国際雑誌に提出され、編集者、レビュアーの専門的な鑑定を経て世に出ます。
スプートニク: 生産規模はどのように拡大していく計画ですか?
ログノフ副所長:「2020年末までに最高2億本の生産までもっていく計画ですが、これは外国をも含め、すべての生産施設が取り組んだ場合です。ワクチン生産には世界からロシア直接投資基金に極めて大きな関心が示されており、基金はロシアの第3相試験の結果の如何によらず、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ブラジル、フィリピンなどの諸国で生産開始を計画していますし、インド、韓国、ブラジル 等ではその国の基金とパートナー関係を結んで大規模生産を開始します。 さらにサウジアラビア、トルコ、キューバでもワクチン生産の可能性が探られている状況です。アラブ首長国連邦、サウジアラビア、インドネシア、フィリピン、ブラジル、メキシコ、インドをはじめとする20か国以上からスプートニクⅤの購入に関心が示されています。」
スプートニク: 抗体のレベルはワクチンから取得した人と、実際感染して取得した人ではどう違うのでしょう?
スプートニク: コメンテーターは国際基準に照らしています。ワクチン開発を行っている他国ではどうなっているのでしょうか?
ログノフ副所長:「実際は様々な基準もそこそこ協調されています。どこも自国の市場、自国のメーカーの保護に努めるのは当然の話で、外国の薬剤の登録には条件がつけられています。これについてロシアは特異な方法をとっておらず、ヘルシンキ宣言に則っています。」
スプートニク: ロシアのワクチン製造に従事したのはロシア人研究者だけですか? それとも外国の研究者も参加したのでしょうか?
ログノフ副所長:「このワクチンの開発が行われたのはガマレヤ国立疫学微生物研究センターの中だけですから、外国のパートナーとは協力を行っていません。ただし技術そのものは知識と科学的経験の総体性です。当然のことながらこれには世界の多くの人が関わり、多くの学術論文が関わっています。我々はそうした論文を読み、むこうも我々の発表を読んでいるわけで、これは共通の科学フィールドです。もちろんこの分野でアクセス可能な研究結果にはすべてあたりました。ですがワクチン開発そのもの、その製造、大規模な試験はすべてロシア人研究者によって行われています。」
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