皇位継承問題の解決はなぜ今これほど重要なのか?
このテーマが最後に日本メディアで広く取り上げられたのは、徳仁天皇が即位を国内外に宣言した「即位礼正殿の儀」が行われた昨年秋だった。明仁天皇の生前退位に伴い、皇太子徳仁親王が新天皇に即位された。天皇陛下の生前退位は約200年ぶりだった。これを法律の観点から可能とするため、日本政府は天皇陛下の退位に関する特例法を承認した。
日本の世論も同様の意見のようだ。共同通信が3月から4月に実施した皇室に関する世論調査によると、回答者の約85%が女性天皇容認に賛成し、2019年10月に実施した世論調査の結果(81%)をわずかに上回った。
河野防衛相の発言で何かが変わるのだろうか?
河野氏は25日の記者会見で皇位継承に関して、女系天皇も検討すべきだとの考えを示した。これは女性天皇容認に賛成する人たちに希望を与えたかもしれない。特に河野氏は「現皇室で男系を維持していくには、かなりのリスクがあると言わざるを得ない」と述べ、「政府の見解と同じようなことを申し上げている」と指摘した。しかしこれは安倍首相やその他の保守的な支持者たちが皇位継承に関する自分たちの立場を検討し直す用意があることを意味しているのだろうか?この質問に象徴天皇制を研究する歴史学者、名古屋大学の河西秀哉氏がスプートニクのインタビューで答えてくださった。
一方、皇室研究者の高森明勅氏は、河野氏の発言は新たな意味を持っていると指摘し、次のように語っている。
「自民党の中にも男系限定では皇位の安定継承が困難になることを承知している政治家はいます。私のブログで取り上げた甘利明氏、萩生田光一氏など安倍首相と関係が深い政治家もそうです。但し現役の閣僚として発言した点に河野防衛大臣の発言の新しい意味があると思います。それだけご本人の皇位継承の将来への危機感が強いからだと思います。これまでの政府の見解は漠然と男系の重みを指摘しているに過ぎず、必ずしも女系の排除にまで踏み込んでいません。だから、政府見解と矛盾するとは言えません。」
「ポスト安倍」の候補で皇位継承問題の議論を支持しているのは誰か?
河野氏はなぜ今、皇位継承問題について発言したのだろうか?河西氏は、この問題に関して政府と異なる立場を表す人は少ないため、河野氏はその大胆さで有権者の注目を集めようとしているとの見方を示している。
河西氏は、先に自民党の二階幹事長も女性天皇を容認するべきだとの考えを示したことに言及した。したがって河西氏は、自民党内にも皇位継承問題の重要性を理解し、まったく議論されなくなることに反対する人々がいるということについて高森氏と同じ意見であると言える。
「ポスト安倍ではありませんが、二階幹事長も以前、女性天皇容認の発言をしており、影響があるように思います。議論することを拒絶する安倍氏への牽制かと思われます。」