EUの消息筋によれば、ミシェル議長は緊迫化する東地中海情勢についてエルドアン大統領と電話会談を行ったという。対話による平和的解決を模索するため、ミシェル議長は多国間協議の開催を提案したと見られている。
電話会談の中でミシェル議長は、この問題を巡るすべての当事国と引き続き連絡を取っていく用意があると述べたほか、「紛争を収束させる」重要性を強調し、緊張を高めるような行動を自制するようトルコ側に求めた。
また欧州理事会側は東地中海情勢について、完全にギリシャとキプロスの立場を支持すると指摘しつつ、トルコとも建設的な関係の維持を望んでいるとした。
消息筋によれば、9月に開かれる欧州理事会の首脳会議では、地中海情勢およびトルコとの関係全般が議題として扱われるという。これに関連し、EUの首脳らは東地中海情勢への対応に向けて、あらゆる措置を検討する。
地中海ではトルコとギリシャの間で関係が悪化している。トルコ政府は8月23日に声明を発表し、ギリシャが排他的経済水域(EEZ)と主張する地中海東部での調査を8月27日まで延長することを明らかにした。
トルコの調査船「オルチ」は海軍の補助艦「アタマン」、「チンギス・ハン」による護衛のもと、地中海東部でガス田、油田の調査を行っている。当初、トルコ側は8月10日から23日の予定で調査するとしていたが、調査期間の延長に踏み切った。
これを受けてギリシャ側は24日に航行警報を発令し、25日から27日まで同海域で空軍、および海軍の軍事演習を行ったほか、フランスとイタリアとの合同軍事演習をキプロス島南部で26日から28日にかけて実施した。