2020年のスポーツ界 大勝利、新記録、埋めがたい喪失、奇跡の救出劇と大きな期待

© AFP 2023 / Robyn Beckブライアント氏
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今年世界は五輪の新たな金メダリスト、世界記録に感動、歓喜するはずだった。ところがコロナウイルスがやってきて、スポーツ・シーズンのメインイベント「東京夏季五輪2020」を「ノックダウン=ロックダウン」してしまった。東京五輪は平和時に開催が延期された五輪として初めてのケースとなった。それでも日本は五輪開催に敗れたとは考えておらず、来年2021年に「ウイルスに対する人類の勝利の証」として五輪、パラリンピックを断固として開催する決意を固めている。

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だがパンデミックに勝利するために、選手、観客の両方の健康をいかにして保証するか。日本が負った責任はあまりにも重い。日本政府はリレー競技で人気の有名選手を応援しようと沿道にでる観客が一か所に集まる率を下げる策にでようとしている。密が作られれば、感染のリスクは余計に増大するからだ。

スポーツ界のスキャンダル 大きく、恐ろしい余波

世界のスポーツ界への脅威はパンデミックに終わらなかった。米国が世界のいかなる国の選手に対しても自国の法律の遵守を振りかざそうとし始め、これがスポーツ界全体に影を落としている。

原因はソチ五輪で新たに見つかった違反スキャンダルの余波。トランプ氏はホワイトハウスを去るにあたって、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)へ告発した人物の名前にあやかって呼ばれる、いわゆる「ロドチェンコフ・アンチドーピング法」に署名した。この法律によって、五輪をはじめとし、米国人選手らが参加した全ての国際大会におけるドーピング疑惑を司法の場で追跡することが可能となる。国際オリンピック委員会(IOC)はこれを受けて、米国の刑事法をすべての五輪代表団に当てはめるのはスポーツにおいて危険な前例となるとの見方を表している。

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大きな喪失 レジェンドの死

2020年も終わろうとする時期に、サッカーファンには埋めることのできない喪失を味わった。天才サッカー選手ディエゴ・マラドーナ氏の死去。あまりに突然のことだっただけに死因については様々な憶測も生まれた。マラドーラ氏は11月25日、ブエノスアイレスの自宅で息を引き取った。享年60歳。警察は主治医に疑いをかけ、質問攻めにしたが、公式的な死因は急性肺水腫と心不全。マラドーラ氏の心臓は通常の2倍の大きさに肥大してしており、これが多くの死因を呼んだのではないかとして、検死結果が待たれている。

スピードの世界で奇跡の救出劇

ブエノスアイレスで大勢のファンらがマラドーラ氏との最後の別れを惜しもうと集まっていた最中に、地球の別の端では自動車レースで奇跡が起きていた。
仏のF1レーサー、ロマン・グロージャン氏の事故。車体はバラバラに壊れ、焼失した。グロージャン氏は大怪我を免れた。驚きなのは、レーサーの命を救ったのが彼が外すよう要求してきた部品だった。グロージャン氏の命を救った頭部の防護装置「Halo」は2018年から導入されたばかり。その導入にグロージャン氏も異議を唱えていた。今回の恐ろしい大事故でレーサーを守るチタン製のフレームが必要か、不必要化をめぐって、何年にもわたって繰り広げられてきた論争が無に帰された。Haloがあったおかげでグロージャン氏は死なずに済み、炎上するマシーンから転がり出、命拾いできたのだった。

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無敗の王者

2020年、米国総合格闘技団体UFCのライト級チャンピオンであるハビブ・ヌルマゴメドフ選手が自身のキャリアで最後の試合を行うと発表した。UFCライト級タイトルマッチでハビブ選手は米国のジャスティン・ゲイジー選手に勝利した。この試合は同選手のキャリアで29試合目となったが、彼は一度も敗戦を経験していない。UFCのプレスサービスではヌルマゴメドフ選手をキングと呼び、「彼の残した記録は今後塗り替えられることはないだろう」と称賛した。彼の勝利を多くの人たちが祝福したが、その中には同選手の元ライバルのコナー・マクレガー選手やサッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手も含まれる。

歴史的記録がスウェーデン選手の台頭により更新

偉大な棒高跳び選手であるセルゲイ・ブブカ氏の歴史的な記録が、26年を経てスウェーデンのアルマンド・デュプランティス選手の台頭によって塗り替えられた。同選手はローマで開催されたダイヤモンドリーグの舞台で6.15メートルのバーを乗り越え、野外競技場での記録を打ち立てた。これまでは1994年にセルゲイ・ブブカ選手が成し遂げた6.14メートルが最高記録だった。五輪の棒高跳びの金メダリストで旧ソ連・ウクライナのセルゲイ・ブブカ選手は、同氏の記録を破ったスウェーデンのアルマンド・デュプランティス選手を個人として祝福した。

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