ルカシェンコ大統領は17日の記者会見で大統領一家の暗殺を計画したとされる外国人グループについて記者団にコメントした。
我々はグループを逮捕した、彼らはどんな計画を立てていたかを供述した……そして我々は外国の特殊部隊による関与を明確に確認した。おそらくはCIAやFBIだろう……ミンスクに潜入し、大統領とその子供たちの暗殺計画を実行しようという思惑を我々は確認した。
大統領の発言は現地のONTテレビでも部分的に放送された。
ルカシェンコ大統領によれば、拘束されたグループには大統領の子供たちを誘拐する計画があったという。
どうして米国人はそうした振る舞いをするのか。大統領の殺害という課題をたてるとは。政治の最高指導部以外にこんな許可を出せるはずがない。
また、ルカシェンコ大統領によると、ウラジーミル・プーチン露大統領はジョー・バイデン米大統領と行った電話会談でもベラルーシ大統領の暗殺計画について問題提起を行ったという。ただし、バイデン大統領からはこの点について回答は得られなかったという。
ベラルーシと米国の二重国籍を持つ弁護士のユーリー・ゼンコヴィチ氏と政治学者のアレクサンドル・フェドゥタ氏、そして野党「ベラルーシ人民戦線」のグリゴリー・コストゥセフ党首を含む数名がルカシェンコ大統領の暗殺計画に関与したとしてロシア連邦保安庁の職員によってロシア国内で拘束された。ベラルーシ国家保安委員会(KGB)の情報提供と要請を受けた形で容疑者らは拘束された。ベラルーシKGBは刑法357条(国家権力の掌握を目的とした策略やその他の行為)に基づき刑事事件として立件を進めている。
ロシアで拘束された容疑者らはいずれも5月9日の戦勝記念日にあわせてルカシェンコ大統領を暗殺し、ウクライナやベラルーシの民族主義者を結集してカラー革命を目指していたとされている。容疑者らは軍事クーデターについて共謀し、さらにはベラルーシ軍で反体制的思想をもつ将軍らとモスクワで密会したという。連邦保安庁の社会連絡センターが提供した情報によれば、ゼンコヴィチ氏は米国とポーランドの関係者らと協議を行った末にモスクワを訪問し、市内のレストランでベラルーシ軍の将軍らと密談、計画実現のためには国家指導部の「排除」が必要と主張したという。